トロロッソのチーム代表フランツ・トストが、ダニール・クビアトはすでにレッドブル傘下のドライバーではないと発言した。また、2018年はピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーを走らせる可能性が高いとも示唆している。
クビアトはレッドブルのジュニアドライバーとして2014年にトロロッソからF1デビュー。2015年にはレッドブル・レーシングに昇格したが、2016年のスペインGPからトロロッソに戻り、今季も残留していた。しかしマレーシアGPと日本GPでレッドブルジュニアのピエール・ガスリーにシートを譲り、アメリカGPで復帰した後、メキシコでは再びレースシートから離れた。トロロッソはメキシコでガスリーとハートレーを走らせている。
今週初め、レッドブルのモータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコは「クビアトがトロロッソに戻って来ることはない」「今シーズンは最後までガスリーとハートレーで行く」とメディアのインタビューにおいてコメントしていたが、メキシコGPの週末、トストはそれを裏付ける形で、クビアトはすでにレッドブルとの契約下にないと認めた。
「彼(クビアト)はもうレッドブルの一員ではない」とトストはFIA金曜記者会見で述べた。
「つまり彼は自由に自分の好きなことができる」
さらにトストは、トロロッソは2018年にガスリーとハートレーを起用する可能性が高いと語った。ガスリーは2016年にGP2でチャンピオンとなり、今年は全日本スーパーフォーミュラにフル参戦、ランキング2位を獲得した。
ハートレーはかつてはレッドブルのジュニアドライバーだったが、F1にデビューすることなく傘下を離れ、その後、WECに転向し、ポルシェでタイトルを獲得した。レッドブルとの連絡を保つ努力をしてきたハートレーは、ポルシェの撤退を知った後、マルコにコンタクトを取り、それがトロロッソへの抜擢につながり、アメリカGPでF1デビューを果たす結果となった。
ガスリーとハートレーをメキシコGPで起用した理由について、トストは次のように説明した。
「今シーズン残りを使って彼らをテストしたいと思っている。このペアが2018年のドライバーラインアップになる可能性が極めて高いからだ」とトスト。
「ブレンドンは非常にスキルが高いドライバーだ。決意が強く、モータースポーツへの深い情熱を持ち合わせている。彼に競争力の高いマシンを与えれば、上位で戦えるはずだ。F1での成功を視野に戦えるだろう」
「来年、我々が競争力の高いパッケージをまとめあげることができ、彼が上位、さらに勝利を争えることに期待している」
レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーもハートレーを称賛している。
「彼は(レッドブルの)ジュニアプログラムにおいてキャリアをスタートし、早い段階でそこから外れた。だが、自分を憐れんで落ち込むことはなかった」とホーナー。
「彼はレッドブルがチャンスを提供したことに感謝し、我々との連絡を保つ努力をした」
「その後もレーシングドライバーとして自分が信じる活動を懸命に続け、情熱を示してきた」
「彼がトロロッソのドライバーというポジションに戻ってくることができたことが、その強い決意、粘り強さ、スキルと才能を証明していると思う」