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星野源が“0歳のお母さん”にかけた言葉の温かさ 『コウノドリ』第3話を振り返る

2017年10月28日 08:12  リアルサウンド

リアルサウンド

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 『コウノドリ』(TBS系)は、毎話ゲストの妊婦、夫婦を迎え、それぞれの患者が抱える問題にサクラ(綾野剛)をはじめとした産婦人科、新生児科のペルソナチームが立ち向かっていく。


(参考:『コウノドリ』子育て世代から支持されるワケ 妊娠・出産の“リアリティ”に共感


 ドラマの中では第1話より、産後鬱の疑いがある佐野彩加(高橋メアリージュン)、サクラの回想に現れる三浦芽美(松本穂香)、四宮(星野源)と親密な関係にありそうな倉崎恵美(松本若菜)と3人の妊婦がゲストのストーリーと並行して登場していた。第3話では、佐野の産後鬱の症状がピークに達する。病院の受付に赤ちゃんを預けたまま、病院の屋上で思い悩む佐野に手を差し伸べたのは、四宮だった。


 仕事復帰と育児。キャリアウーマンの佐野は、出産後すぐに仕事復帰を考えていたが、育児に追われ、ただ焦る日々を送っていた。母になる悩み、母としての苦しみ。「私が駄目なお母さんだって言いたいの?」、一人夜の病院でつぶやく彼女を心配した小松留美子(吉田羊)は、“助産師の勘”から佐野に危機を感じていた。サクラは、佐野の背中に命を救うことが出来なかった三浦の姿を重ねていた。三浦も産後鬱に悩んでいた患者。サクラは、「僕が彼女に言葉をかけていられば、彼女を救えたのかなって」と今も思い悩んでいた。彼の過去と胸中を知る四宮はサクラに「いい加減にしろ。前を見ろよ。お前が大丈夫じゃないんだよ」と声をかける。


 佐野がいなくなり、サクラは三浦のケースを思い出し、病院の屋上に向かう。そこにいたのは、佐野を説得する四宮。「誰にも必要とされていない。母親としても駄目」、塞ぎ切っている佐野に四宮は「俺にあなたの気持ちは分からない。今あなたを引き止めているのは俺のわがままです。まだ、治療の道がある患者を放っておくことはできない」と優しく諭し、真っ直ぐな眼差しで彼女に右手を差し伸べる。


 佐野は、精神科医で鬱の治療ができることに。気づくこと、次に繋げること。生まれた瞬間から、赤ちゃんとお母さんの変化を見続けていくことが産婦人科のできることだ。そして、駆けつけた康孝(ナオト・インティライミ)の「俺たちは二人で一つ」という言葉に、四宮はこう告げる。「人間は二人で一つになんかなれない。死ぬまで一人だよ。たとえ夫婦でも、別々の人間だからお互いを尊重しあう。それで初めて助け合えるんだろ」。子育てを美化してはいけない。人に頼ってこその子育て。サクラの「赤ちゃんが0歳なら、お母さんもお父さんも0歳ですよ」という言葉が佐野の気持ちをさらに和らげる。


 第3話のラストでは、倉崎が緊急搬送されてくる。白川(坂口健太郎)は、以前彼女と四宮がカフェで親密そうにしているのを目撃しており、それが言い出せずにいた。彼女の姿に「マジかよ……」と驚く白川。次週の予告では、四宮と倉崎が廊下で話しているのを、白川がこっそり物陰から覗くシーンが。2人の間にどのような関係があるのか、第4話で明らかになるかもしれない。


(渡辺彰浩)