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スーパー耐久:ENDLESS SPORTS ST-X/ST-4クラス 2017第6戦岡山 レースレポート

2017年10月27日 18:42  AUTOSPORT web

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3号車ENDLESS ADVAN GT-R
ENDLESS SPORTS
スーパー耐久シリーズ 2017 最終戦
開催日:2017.10.14~15
サーキット:岡山国際サーキット
チーム体制:エンドレススポーツ
マシン:3号車ENDLESS ADVAN GT-R
ドライバー:YUKE TANIGUCHI/山内英輝/元嶋佑弥

予選結果:3位
決勝結果:2位
暫定ランキング:ST-X CLASS 4位
*決勝結果に対し提訴が提出され、JAFモータースポーツ審査会に裁定されるため、現時点では暫定のままで正式結果は後日発表される。

[予選/10月14日(土)] 3号車 3位
Aドライバー/YUKE TANIGUCHI 5位 14:40~ ドライ 
Bドライバー/山内英輝 4位 15:10~ ドライ(16分間の赤旗中断あり)
Cドライバー/元嶋佑弥 3位 15:58~ ドライ

 もてぎで幕を開けた2017年シーズン。昨シーズン苦しめられた1号車に迫るところにまでマシンも煮詰まってきた。実際、開幕から安定した速さで表彰台に上がり、3戦終了時点にはランキングでトップに躍り出ることに成功。
 
 この勢いでオートポリスも上位入賞すれば……。これが大きな誤算だった。まさかのノーポイント。これで次の富士ラウンドは攻めるしかなくなった。十分にチャンスはあったのだが、勝利の女神は振り向いてくれなかった。万事休す。この時点でチャンピオン争いから脱落してしまう。
 
 しかし、当チームにはこの最終戦の岡山でやり残した課題を克服しないといけなかった。今シーズン一度も手が届いていない優勝。この走りから得られることが次のシーズンにつながると信じているからだ。
 
 木曜日から岡山に乗り込んだ当チームは、決勝に向けて精力的に走り込み、多くのデータを得た。ただ、天候が……。ドライになればいい戦いができるところにまできたのだが、ウエット路面となると厳しかった。
 
 当チームと言うよりは、GT-R自体が厳しかった。今シーズンを振り返れば分かるように、フェラーリ、ポルシェ。さらには途中から参戦してきたランボルギーニも速かった。とくにウエットコンディションのなかではクラスが違うマシンのように速かった。
 
 予選が行われた土曜日はドライコンディション。AドライバーのYUKE TANIGUCHIは予想した通り、フェラーリが2番手に付けた1号車のGT—Rよりも1秒以上速いタイムを叩き出す。
 
 YUKE TANIGUCHIは最もタイヤのグリップが美味しい3ラップ目にアタック。しかし、1コーナーで他マシンにラインを塞がれてしまう。翌ラップに1分30秒台にまで詰めるが5番手。2番手以下6番手までが1分30秒台と言う肉薄したAドライバーの予選となった。
 
 続くBドライバーの予選で巻き返しを図りたいところだったが、山内がアタックに入っているときに赤旗が振られ、やり直すことになる。このセクションでも速さを見せたのはフェラーリ。コースレコードを塗り替える1分28秒台を叩き出す。2番手にはポルシェが続いた。山内は1分29秒台にまで詰めるが4番手。A/Bドライバーの合算では4番手となる。
 
 しかし、予選後の車検で今シーズン開幕から連続ポールポジションを継続しているフェラーリが使用しているガソリンがレギュレーション違反と判明し、タイム抹消、予選不通過となった。これで当チームは3番手からのスタートとなった。

[決勝/10月15日(日)] 3号車 2位
13:45スタート 3時間レース(16:46チェッカー) ウエットコンディション

 決勝当日は予報どおり、夜半過ぎから降り出した雨でウエットコンディション。GT-R勢にとっては厳しい状況となるが、レースはそれ以上に波乱含みの事態となった。

 予選タイムが抹消されたフェラーリが嘆願書により最後尾からのスタートを認められることになったのだが、じつはこれが大きな混乱を招くことになってしまった。
 
 チャンピオン争いに影響が出ないのであればいいのだが、わずかでもチャンピオン争いにチャンスがあるチームは……。非情だが[予選タイム抹消=予選不通過=決勝未出走]という手段を選ぶ。
 
 当チームは富士ラウンドが終了した時点でチャンピオン争いから脱落してしまったが、連覇を狙う1号車のGT–Rはわずかながらとはいえ、この岡山ラウンドの結果によっては大逆転でのチャンピオンというチャンス(1号車のGT-Rが優勝、フェラーリがノーポイント)が残されているからだ。
 
 結果から先に報告すると、競技会の裁定に不服ということからJAFのモータースポーツ審査委員会の裁定を待つこととなった。このため最終戦の正式結果は発表されず、シリーズランキングの最終結果も発表待ちとなった。

 決勝レースはウエットコンディションとなったため、午前中に行われたGr.2の決勝同様、セーフティカースタートで最終戦のスタートは始まった。2ラップに渡ってセーフティカーにコントロールされた決勝レースは3ラップ目にスタートが切られた。
 
 予選トップだったフェラーリは最後尾からのスタート。3番手のポジションからスタートを切った山内は、オープニングラップから最大のライバルでもある1号車のGT-Rの背後に付ける。なんとか一矢報いたいのだが、ラップを重ねていくにつれ、ジワジワと離されてしまう。
 
 トップはポルシェ。とにかく速い。瞬く間に2番手以下を引き離す。これも結果から先に報告すると、完璧なポール・トゥ・ウインでポルシェがこのクラスでの初優勝を決めた。

 40ラップ過ぎ、まず、ピットに滑り込んできたのは1号車。約10秒遅れで山内もピットに滑り込んでくる。2番手ドライバーはYUKE TANIGUCHI。ガス給油して最小限のタイムで送り出す。
 
 通常だと行われる朝のフリー走行はなく、午後1時40分過ぎに始まる決勝レースにいきなり挑まなければならなかった。早い話が細かなセッティングができないまま、前年の峰尾が走ったデータを元にして、決勝レースに挑まなければならなかった。
 
 ピットガレージが1コーナーよりにある1号車は、まだスタートしていない。ピットでの逆転かと思われたが、ギリギリのところで1号車がYUKE TANIGUCHIの前に入る。
 
 10秒の遅れは完全になくなり、まさにガチンコバトルが、ここでも繰り広げられた。瞬間的に3秒強まで広げられたラップもあったが、YUKE TANIGUCHIは必死に食い下がり、50ラップ過ぎ、その差は1秒を切る。
 
 トップはポルシェ。2番手には99号車のGT-R、さらに1号車と当チームのYUKE TANIGUCHIが続き、その後方からはランボルギーニが驚異的な速さで迫ってきている。最近にはない熱いバトルが繰り広げられている。

 このバトルはピットストップ内でも繰り広げられた。60ラップ過ぎ、まず1号車がピットに滑り込んでくる。ピットの位置は最終コーナーよりにランボルギーニ、その数台前にあるのが当チーム。
 
 さらに1コーナーよりにあるのが1号車のGT-Rのピット。1号車も相当に燃えていたのだろう。ランボルギーニ、さらには当チームのピットに間違えて入ろうとしてしまう。
 
 メカニックに接触することはなかったがヒヤッとさせる瞬間だった。YUKE TANIGUCHIから元嶋にスイッチ。当チームはタイヤ交換してコースに戻る。この間に最後尾から追い上げてきたフェラーリが2番手に上がっている。
 
 まだ、2回目のピットストップが残されているが、ラップタイムは速く、終盤に逆転される可能性がないわけではない。3番手に99号車、さらに1号車、そして元嶋と3台のGT-Rが続く。
 
 トップのポルシェは遥か彼方で逃げる65ラップ過ぎ、2番手の99号車と1号車が急接近。熱い3番手争いのバトルが繰り広げられる。タイヤ交換を行っていることもあり、当チームは4番手から約12秒落ちの5番手だ。
 
 元嶋はなんとか前を走るGT-Rに迫りたいのだが、後方から驚異的な速さでランボルギーニが迫ってくる。75ラップ過ぎ、2番手に付けていたフェラーリがピットストップ。これで上位を走るマシンは、ひとつずつポジションを上げる。
 
 前方にいる2台のGT-Rは2番手争い。当チームとランボルギーニは4番手争いとなった。76ラップ過ぎ、粘っていた元嶋だったが、1秒以上も速いランボルギーニを抑えられず5番手に後退。
 
 80ラップを過ぎ、チェッカーまで30分を切るあたりから、今シーズン最大のバトルが繰り広げられる。当チームを抜いていったランボルギーニの勢いは衰えるどころかさらに増し、3番手に付けていた1号車のGT-Rをパスして、85ラップ過ぎには2番手を走る99号車のGT–Rの背後にピタッと付ける。
 
 93ラップ目、このバトルはあっけなく終わってしまう。99号車のGT–Rとランボルギーニが接触してしまう。
 
 一方、ランボルギーニに抜かれて5番手にポジションを下げている元嶋は、気落ちすることなく影を潜めていた非凡な走りを爆発。同じくランボルギーニに抜かれ4番手にポジションを下げた1号車のGT–Rに急接近。
 
 今シーズンの鬱憤を払うかのように1号車を抜き4番手に浮上。前では99号車のGT-Rとランボルギーニの2番手争いが繰り広げられ、2台のラップタイムは若干だが落ちだしている。このチャンスに元嶋は2秒後方にまで接近。
 
 その矢先での前2台の接触。元嶋はバトルに加わることなく、弄せずして2番手に浮上。その後、99号車のGT-Rが追い上げてきたが元嶋は振り切り、2番手のポジションでチェッカーを受けることに成功した。

 最終戦もまた楽なレースではなかったが、YUKE TANIGUCHI/山内英輝/元嶋佑弥がそれぞれの仕事をしっかりとこなし、残されていたいくつかの課題を完全ではないが消化できた。
 
 2018年シーズンにつながるレースになったのも事実だし、なによりもエンドレスらしいチームが一丸でのレースができたのは間違いない。今シーズンはドライバーを一新。昨シーズンまで引っ張ってきた峰尾が監督としての一歩を踏み出すなど新生エンドレスの元年でもあった。
 
 目標としていたタイトル奪回には遠く及ばないランキング4位(暫定)。悔しすぎるノーポイントのレース。最もポイントが稼げる富士の長丁場では下位に終わったこと。反省しなければいけない点も多かった。
 
 しかい、エンドレスが大事にしているチーム一丸でのレース参戦はできたし、これまで以上に結束力が強まったシーズンだった。今シーズンも各サーキットに駆けつけて声援を送ってくれたファンの皆様「ありがとうございました」そして、スポンサーの方々、進化途中のエンドレスを今シーズンも最後まで暖かく見守ってもらえたことに感謝致します。

ENDLESS SPORTS
スーパー耐久シリーズ 2017 最終戦
開催日:2017.10.14~15
サーキット:岡山国際サーキット
チーム体制:ENDLESS SPORTS
マシン:13号車ENDLESS ADVAN 86
ドライバー:小河諒/高橋翼/花里祐弥

予選結果:クラス2位
決勝結果:クラス3位
最終ランキング:ST-4 CLASS 2位

[予選/10月14日(土)] 13号車 2位
Aドライバー/小河諒 4位 13:00~ ドライ(11分間の赤旗中断あり)
Bドライバー/高橋翼 6位 13:40~ ドライ
Cドライバー/花里祐弥 9位 PM2:10~ ドライ

 4月にもてぎで幕を開けた2017年シーズンは、もがき苦しんだシーズンだった。3位、2位……と表彰台に上がるも、ライバルの86号車との差は広がるばかりで、最終戦を待たずして連覇の夢は途絶えてしまった。となれば、この最終戦で勝利を掴んで一矢報いたい。
 
 結果は2位に終わったが、チームだけでなく、雨のなか、朝早くから駆けつけてくれたファンの心にも残る熱い走りを見せることができたのは……。間違いない!

 最終戦はいろいろな面で荒れたレースとなった。つい数日前には30℃に迫ろうかと言う暑さだったのに、翌日には20℃を切るという天候。加えて路面コンディションもドライにウエットと日替わり状態が続いた。
 
 ライバルに立ち向かうには、同じことをやっていても勝てない。決勝が行われる日曜日は雨の予報。だから木/金曜日の練習走行では、単なるタイヤのチェックではなく、乾きだしたウエット路面ではどのタイミングでドライ用タイヤに切り替えるかなど、あらゆる状況を想定してチェックを行なった。

 予選は天気予報どおり、雨が落ちることもなくドライ路面となった。今回は足回りのセットを一新。ダンパーの微調整に加え、スプリングも変更して、しなやかな動きを重視したセットで挑んだ。
 
 これまでのセットは、タイヤのタレが掴みにくかったが、今回のセットははっきりと分かる。マシンの状況に合わせたベストな走りができるとなれば、間違いなく、ライバルの86号車に近づける。

 Aドライバーによる予選では、当チームとランキング2位争いを繰り広げているマシンが全損に近いクラッシュ。これで赤旗が振られる。アタックに入っていた小河にとっては痛かったが、この赤旗がなかったとしても1分42秒台。86号車には届きそうもない。

 Bドライバーの予選は、10分遅れで始まる。一方、高橋はじっくりとタイヤを暖めてアタックに入るが、なかなかクリアラップが取れず、1分43秒台の6番手にとどまる。ただ、Bドライバーの予選では86号車1台だけが抜けていて、2番手から11番手までの10台が1秒以内という肉薄した戦いとなった。
 
 A+Bドライバーの合算タイムでは2番手。今季、最高位のポジションをもぎ取ることに成功した。

[決勝/10月15日(日)] 13号車 3位
8:35スタート 11:35チェッカー 3時間レース ウエットコンディション
セーフティカー導入 1回目:46~49LAP 2回目:67~71LAP 

 岡山ラウンドの決勝レースは、これまで同様2グループ(Gr.1:ST—X/ST-TCR/ST-1/ST-2/ST-3 Gr.2:ST-4/ST-5)に分けて行われた。ハチロクが走るGr.2の決勝レースのスタートは8時35分にスタートが切られる。
 
 以前のような朝のウォームアップ走行が設けられていないため、路面に合わせた細かなセッティングはできない。簡単に言うならこれまでのデータを元にいくしかない。
 
 決勝当日の予報はと言うと雨。確かに前夜から雨が降り、路面も完全なウエット状態。スタート進行が始まっても雨は落ちてこない。他のサーキットに比べると乾きにくいと言われる岡山だけに、仮に雨が落ちてこなくても、強い日差しがささない限り、1時間ぐらいで乾くとは思えない。
 
 とは言ったものの最終コーナーよりの空は明るく、雲の薄いところからはわずかだが日差しも見られる。早い話がどっちに転ぶか分からない状況だった。
 
 全車、スリックタイヤでグリッドに付く。競技委員長からローリングスタートではなく、セーフティカースタートが告げられる。通常のローリングスタートと見た目は変わらないが、セーフティカースタートの場合、セーフティカーが動き出した時点で時計が動き出すのと、スタートまでの間にピットストップしてドライバー交代すれば、義務付けされている2回のピットストップのうちの1回を消化したことにもなる。
 
 後方グリッドからスタートするチームは、ここでピットに入って勝負に出るが、当チームは最前列からのスタート。この手のギャンブルはできない。

 3ラップをセーフティカーに誘導された後、スタートが切られる。予想した通り、路面は完全ウエット。スタートドライバーの小河は、まずまずのスタートを切るがトラクションがかからず、明らかに遅い。
 
 ライバル勢が1分52~53秒で走るなか、当チームのハチロクは55~56秒台。5ラップ目には5番手、7ラップ目には7番手、8ラップ目には9番手にまでポジションを落とす。
 
 レコードラインの雨水が少なくなってくると、小河のペースも54秒台に上がり、大きく引き離されなくなったが、依然として厳しい状況が続いた。20ラップ目、6番手までポジションを戻したところで雨が落ちだす。
 
 1回目のピットストップ。チェッカーまでの時間は2時間と7分のところ。高橋にスイッチ。タイヤはそのまま、ガスだけ入れて高橋をコースに送り出す。ポジションは11番手にまで落ちているが高橋もジワジワと追い上げ9番手にまで上がる。

 42~43ラップ過ぎ、トップグループのピットストップが始まる。その直後の46ラップ目、クラッシュしたマシンがコース上に止まったためセーフティカーが5ラップに渡りレースをコントロールする。このタイミングでほとんどのマシンが
2回目のピットストップを消化。

 当チームもピットストップさせたいのだが、なんとか追い上げるには小河がいくしかない。ただ、レギュレーションで一人のドライバーが走れる最大時間は2時間。このタイミングで交代してしまうと、もう1回、高橋がステアリングを握らないといけない。交換できない状況だった。
 
 トップグループが2回目のピットストップをしたため、モニター上のトップに当チームのハチロクが躍り出る。ピットストップに要するロスタイムやラップタイムなどから計算すると、1分近くのリードを持って2回目のピットストップを行なっても5番手あたりでしかコースに戻れない。
 
 予選で大クラッシュしたS2000は、朝までにマシンを修復、最後尾からのスタートながら、すでに9番手にまでポジションを戻している。このままでは前にいかれてしまい、ランキングも3位に落ちてしまう。必死に逃げる高橋に無線の指示が飛ぶ。
 
 厳しい状況が続くなか、65ラップ過ぎ、この日、2回目のセーフティカーがコースに入る。当チームはこのチャンスを見逃すことなく、高橋をピットにいれ小河にスイッチする。
 
 4番手でコースに戻る。トップは86号車。遥か彼方だ。2番手にロードスター、3番手にシビック。この2台射程圏内。2番手にまで上がれる可能性がグッと膨らんできた。ただ、5番手にはランキング2位を争っているS2000が5秒後方から追い上げてきている。レース中盤には1分53秒台と速いラップも叩き出しているだけに油断はできない。
 
 72ラップ目、セーフティカーが抜けると、シビックが2番手に上がり、ロードスターが3番手に後退。当チームのハチロクとの差は2秒弱。小河は1分54秒台で追う。ロードスターも同じようなタイムで必死になって逃げる。
 
 81ラップ目、その差はコンマ18秒。まさにサイドbyサイドになるが抜くには至らない。SUGOラウンドで終盤、接触しているロードスターで、ドライバーも同じ。勢いだけではいけない。慎重にチャンスを狙う小河。チェッカーまで5分を切るがコンマ5~7秒のバトルは続く。
 
 最終ラップの最終コーナーをロードスターが立ち上がってくる。この内側に並ぶようにして立ち上がってきた小河。エンドレスのピットの前をほぼ並ぶようにしてフィニッシュラインに向かう。
 
 勢いは当チームのハチロクにあるように見えたが、タイムモニターはロードスターが3番手、当チームが4番手で映し出された。「ア~」と言うため息がピットガレージに流れた。次の瞬間、タイムモニターの3番手に当チームのハチロクが上がった。
 
 マシンに取り付けるセンサーの位置でロードスターが先にチェッカーを受けたかたちになったが、すぐに行われたビデオ判定により当チームのハチロクの方が0.036秒先にフィニッシュラインを超えていた。
 
 この瞬間、ため息は大歓声に変わった。優勝ではなく、3位なのだが目が潤んでいるスタッフもいる。2016年シーズン最終戦のオートポリスで峰尾が感動の走りを見せた。まるで再現するかのように今シーズンは小河が見せた。
 
 もちろん、メカニックやエンジニアの頑張りがなければ、ここまでは追い上げられないし、高橋と花里という新しいドライバーの力があったからだ。

 シリーズランキングは2位。狙っていた連覇は達成できなかったが、連続表彰台は15に更新。2017シーズン、小河を軸に高橋、花里というスーパー耐久未経験のフレッシュなドライバーで挑んだ13号車。2018シーズンはチャンピオン奪回を狙って、今シーズンに負けない熱い戦いで多くのファンに感動を与えられるように……
 。
 2017年シーズン、エンドレスのハチロクを応援して頂いたファンの方々、たいへん有り難うございました。そして、スポンサーの方々、進化途中のエンドレスを今シーズンも最後まで暖かく見守ってもらえたことに感謝致します。