2年に1度開催される国内最大級の自動車ショー『第45回東京モーターショー』が10月25日(水)、東京ビッグサイトで開幕した。今回は10月28日(土)の一般公開を前に、会場で見つけた気になるスポーツモデル、レーシングパーツなどを紹介しよう。
■BMW コンセプトZ4
まず紹介するのは今モーターショー注目車種のひとつである『コンセプトZ4』。迫力あるエクステリアと鮮やかなオレンジ系のボディカラーで目を引く同モデルはその名のとおり、次期(3代目)Z4のコンセプトモデルであるが、国内ではトヨタが『トヨタ・スープラ』として発売するのでは? という噂も。
■BMW コンセプト8シリーズ
続いてのクルマは、同じくBMWから登場のジャパンプレミアモデル『コンセプト8シリーズ』。2018年からWEC世界耐久選手権のLM-GTE、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップのGTLMクラスに参戦予定の『BMW M8 GTE』のベースとなる市販車のコンセプトモデルだ。
既存モデルに比べてBMWの象徴であるキドニーグリルが巨大化しているのはコンセプトZ4と同様ながら、内部のフィン形状はそれぞれ異なっている。L字型のリヤ・コンビネーションライトは似たデザインとなっていることから、このパターンがBMWの次世代モデルに採用されていくのかも。
■イケヤフォーミュラIF-02RDS
1990年代に登場したFIA-GT1ロードカーのような出で立ちの『IF-02RDS』は栃木県の自動車部品メーカー、イケヤフォーミュラが製作したロードゴーイング・スポーツカー。「モータースポーツの世界から、路上へ」をコンセプトに作り上げた同モデルは現在、世界に一台しか存在しないという。
なお、イケヤフォーミュラでは今回の東京モーターショーの直前に公道走行に必要な認証を取得しており、その証拠に正規のナンバープレートが車両前後に装着されている。
■レクサスLC500 カットモデル
自動車部品メーカのジェイテックは、レクサスのスーパーGT500マシンのベース車である『LC500』のカットモデルを出展。自然吸気V8エンジンの内部やトランスミッションの構造を観察することができる。
■ルノー・メガーヌR.S.
2017年にF1参戦40周年を迎えるルノーはブース出展車両をスポーツモデルで統一。F1ショーカーやメガーヌGT、ルーテシアR.S.、トゥインゴGTなどが並ぶなか、新型『メガーヌR.S.』が25日にジャパンプレミアされた。
そんなメガーヌR.S.には今後ルノーの市販車モデルに使用される予定となっているルノー・スポールの新ロゴマークが、市販車としては初めて着けられている。
■ニッサン・リーフNISMOコンセプト
ルノーブースの向かいに位置するニッサンのステージには新型リーフのNISMOモデル・プロトタイプ『リーフNISMOコンセプト』が展示中。
ニッサンがシーズン5からのワークス参戦を発表したフォーミュラEや、ホンダがEVで挑戦しているパイクスピーク・ヒルクライムなどで盛り上がりをみせる電気自動車とモータースポーツの組み合わせが、身近に感じられる1台となるのか注目したいところだ。
■ニッサン・セレナNISMOコンセプト/セレナ e-POWER
NISMOモデルはリーフだけでなく、人気のミニバン『セレナ』にも設定される模様で、2日目からは『セレナNISMOコンセプト』がブース内に展示されている。
また、期間中は24日に発表されたばかりのシリーズハイブリッド第2弾『セレナ e-POWER』も初公開となっている。第1弾の『ニッサン・ノート』では“e-POWER NISMO”というグレードもあるだけに、セレナの今後のラインアップも要チェックか。
■フォルクスワーゲン・ゴルフGTE/ゴルフ Rパフォーマンス
フォルクスワーゲンは出展9台中8台がジャパンプレミア。『ゴルフGTE』『ゴルフ Rパフォーマンス』もこれに含まれる。
『ゴルフGTE』はVWゴルフのプラグインハイブリッドモデルで、スポーティな走りとEVモードなど、環境にやさしい走りを両立した。一方、100台限定販売の『ゴルフ Rパフォーマンス』はハイパフォーマンスモデルのゴルフRをベースに専用エキゾーストと専用ブレーキを採用したことで、より高いパフォーマンスを発揮するホットハッチバックとなっている。
■ポルシェ911 GT3
今年5月に、先代が記録したニュルブルクリンク北コースのタイムを12.3秒上回る7分12秒7をマークした新型『ポルシェ911 GT3』が東京モーターショーに登場。サーキットのグリッドエリアに見立てられた展示スペースの後方には同モデルをベースとするカップカー『ポルシェ911 GT3 カップ』も展示されている。2台を見比べて、市販モデルとレースモデルの違いを探してみるのも面白いかも。
■ポルシェ356スピードスター
ポルシェブースには前述の新型911 GT3のほか、最新のカイエン、パナメーラなどが出展されているが、そのなかに1955年生まれのクラシックカー『ポルシェ356スピードスター』の姿も。美しい流線型を描くこのクルマは、本来の装備品を省くことで安価にしたことからアメリカで大ヒットし、当時のモータースポーツシーンにも数多く登場したそう。いわばポルシェ911のご先祖様と言える存在だろう。
■トヨタ・ヴィッツGRMN
2018年春に登場予定の『ヴィッツGRMN』がトヨタブースに出展された。今年9月に発表されたトヨタの新ブランド、GRにおけるトップグレード“GRMN”の第一弾モデルとなることが予想される同車を、この機会にじっくりチェックしよう。
■トヨタ・クラウン コンセプト
名称どおり次期型クラウンのコンセプトモデルある『クラウン コンセプト』。全面的に一新されたエクステリアはさることながら、モータースポーツ好きにはぜひフロントグリルとリヤに注目してほしい。と言うのも、ふたつのポイントには怪しげな“RS”のシルバーロゴが装着されているのだ。このロゴが意味するものとは……?
■KYB・電動パワーステアリング
市販車からレーシングカー、ラリーカーなどの各種パーツを製造するKYBのブースではWECのLMP2カーと、IMSAのDPiマシンの全車に供給している電動パワーステアリング(EPS)が出展されている。
ブースには体験コーナーも設置されており、5段階からなるパワーステアリングの重さをドライブシミュレーターとともに体感することが可能だ。
■akebono・レーシングブレーキシステム
ブレーキ部品メーカーの曙ブレーキはマクラーレンF1、WECに参戦中のトヨタTS050ハイブリッド、ニュルブルクリンク24時間に挑戦しているレクサスRCに供給しているレーシング・ブレーキキャリパーを展示。このうちTS050ハイブリッドのものは実際にレースで使用されたもので、キャリパー本体には飛び石の跡もみられた。
また、ブース内には『マクラーレンP1』のブレーキシステムも展示されているほか、開発中の市販車用高性能ブレーキシステムなども出品しされている。
■二輪メーカーのブースも見どころ満載。ついに全貌を現したカワサキZ900RS
■二輪メーカーのブースも見どころ満載。ついに全貌を現したカワサキZ900RS
カワサキブースで注目を集めていたのは、今回の東京モーターショーで初お披露目されたZ900RS。往年の名車Z1の血統を受け継ぐモデルというのだから、注目せずにはいられない。カワサキのブースではノーマル車のほかに3台のカスタム車がステージ上に展示されていた。
こちらはNinja650 ABS。大型バイクながら足着きがよくライディングポジションも前傾すぎないので、年齢、性別、ライディングスキル問わず幅広いライダーが楽しめるモデルだ。
■世界生産累計台数1億台達を記念したスーパーカブが登場
ホンダのブースではスーパーカブの世界生産累計台数1億台達、そして2018年のスーパーカブ誕生60周年を記念した特別モデルとともに世界初出展となるスーパーカブC125が展示されていた。
スーパーカブC125と同じステージ上にはモンキー125も。125cc並列単気筒エンジンを搭載している。
ヒューマノイドロボット研究で培ったHonda独自のバランス制御技術を二輪車に応用し、マシン自体がバランスを保つというコンセプトモデル、Honda Riding Assist-e。パワートレインは電動モーターとなっている。同じくコンセプトモデルとして展示されていたのが、次世代ネイキッドスポーツのNeo Sports Cafe Conceptだ。
ホンダモーターサイクルのフラッグシップモデル、GOLDWINGがフルモデルチェンジ。車両とともに、新開発された小型軽量の1800cc6気筒水冷4ストロークOHC水平対向エンジンも展示されていた。
クルーザーモデルのRebel250(レブル250)や、CB1100なども置かれている。
■ヤマハブースでは二輪と三輪、そして四輪も登場
大型三輪バイクとして発表されたのがNIKEN(ナイケン)。水冷直列3気筒エンジンと旋回時に高い安定感を生み出す大型LMW(リーニング・マルチ・ホイール)を搭載している。
さらに四輪のSUVコンセプトモデル、CROSS HUB CONCEPTも。シートをダイヤモンド型に配置、リヤにはモーターサイクル2台を積載することができる。同じく四輪として、二輪車から発想した前後2輪の4輪LMW、MWC-4も展示されている。
こちらはYZM-R1Mにまたがる自律ライディングロボット、MOTOBOT Ver.2。MotoGPライダー、バレンティーノ・ロッシのラップタイムに挑むモトボットのエピソード3が公開された。
水冷4ストローク直列2気筒の270度クランク688ccエンジンを搭載したロードスポーツモデル、XSR700 ABS。11月6日から日本市場で発売される。
さらには知能化技術を用いた電動バイク、MOTOROiD(モトロイド)やMTシリーズの最高峰モデルのMT-10、ヤマハのクルーザーモデルのフラッグシップ、Star Venture(スターベンチャー)も展示されている。
■スズキのSV650X、BMWのG310GSなどまだまだあります、注目バイク
スズキのブースでは2016年モーターサイクルショーで注目を集めた『SV650ラリーコンセプト』の進化形であるSV650Xが世界初出展。『ネオレトロ』バイクのコンセプトモデルだ。
同じ二輪ステージ上には、上質な125ccスタンダードスクーター、SWISH(スウィッシュ)も。
スズキのメガスポーツの隼やラグジュアリースクーターのバーグマン400ABS、スポーツアドベンチャーツアラーのV-Strom250なども展示されている。また、スズキの1.4L直噴ターボエンジンの展示も。こちらはARでエンジン内部の動きを体験できるようになっている。
四輪ブースエリアにはなるが、BMWではG310GSの展示も。二輪ブースエリアだけではなく、四輪ブースにも二輪車両や関連パーツなどが展示されているので、是非足を運んでみては。
未来のクルマ社会を想像させるコンセプトカーや技術、最新の市販モデル、レーシングマシン、スポーツカーやバイクなどが集結する第45回東京モーターショー2017の一般公開は10月28日(土)~11月5日(日)までの9日間。クルマ好き、モータースポーツ好きは、ぜひ東京ビッグサイトへ!