F1のモータースポーツ担当取締役であるロス・ブラウンは、将来的な世界選手権シーズンの期間延長について言及してきた。
だがブラウンは、1シーズンあたりのレース数を増やすことが金曜プラクティスの廃止につながり、各グランプリが2日間のみの開催になり得ることを認めている。ブラウンはアメリカGPのイベントで以下のように述べた。
「金曜プラクティスをなくせばグランプリを増やすことは可能だ。物流という部分では、その方がチームにはとっては良い。当然だがレース数を増やせば、チームは物流の問題を抱えることになる」
「だが金曜日の走行は主催者や放送局にとっては重要だ。どのようにして正しい解決策を見つければよいだろうか」とブラウンは話し、金曜プラクティスの扱いについては「議論の余地がある」と付け加えた。
ブラウンによれば、F1の新オーナーであるリバティ・メディアの幹部たちは、週末のレースフォーマットを見直すことができるか検討しているという。しかしながら、レースそのものが大きく変わってしまうのではないかという不安の声は否定した。
「個人的に、中核であるレースは大変重要な要素だと考えている。中核部分を変えるつもりはない」
「我々が検討していることのひとつは、週末のレースフォーマット見直しだ。この件についてはオープンな姿勢で取り組みつつ前に進めていく」
新たな経営陣のもとで、F1では将来的に1シーズンあたり25戦の開催を視野に入れている。ただし今シーズンは20戦となっており、2016年の21戦からは減少した。
「レース数の問題を考えるにあたっては、質の高さがきわめて重要だ。質の高いレースが開催できないのなら、数を増やす意味がない。開催場所、コース特性など、卓越した内容のレースを実施する力が不可欠なのだ」
「我々はすべての要素を検討し、前進させるために最良の方法を見つけようとしている。(カレンダー上の)開催数を増やせるからという理由で、レースを多く行ってはならない。それでは長続きしないのだ」
「過去には新たなレースが増えたこともあったが、質が伴わなかったために結局続かなかった。それは我々のビジネスにとって良いことではない」
前戦アメリカGPでは、レース前に行われてきた演出に主催者が新たな要素を加えており、ブラウンはこれを賞賛した。
土曜日の予選は、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われたジャスティン・ティンバーレイクのコンサートと連動させるために通常よりも時間を遅らせて実施された。また日曜日の決勝レースでは、著名なボクシングのリングアナウンサーであるマイケル・バッファーが、ドライバーをひとりずつグリッドに迎え入れるという演出が行われている。
「我々は予選を2時間遅らせて午後4時開始とした。(COTA会長の)ボビー・エプスタインが今朝、予選にはこれまでの最多動員数よりも2万人多い観客が入ったと教えてくれた」
「我々は、主催者と協働するときにはその意見をよく受け入れるようにしている」とブラウンは話し、そうしたことは前CEOのバーニー・エクレストンの時代にはなかったことだと付け加えた。
「主催者との協働において、我々はまったく異なる態度で臨んでいる。実際に私は目にしてきた。(リバティは)過去に何が行われたか見ていないが、私は見てきたのだ。あれはまったく違う世界だったよ」