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マルケス、セパンは「フィジカルコンディション的には厳しい」/MotoGPマレーシアGP開幕前コメント

2017年10月26日 20:11  AUTOSPORT web

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マルク・マルケス/レプソル・ホンダ・チーム
MotoGP第17戦マレーシアGPの開幕を前に、ホンダ、ヤマハ、ドゥカティ、スズキのファクトリーライダーとインディペンデントチーム勢トップのヨハン・ザルコが意気込みを語った。

■マルク・マルケス/レプソル・ホンダ・チーム(ランキング1番手)
 オーストラリアGPで今シーズン6勝目を記録、ランキング2位のアンドレア・ドビジオーゾとのポイント差を33ポイントに拡大して、今レースでタイトル確定の可能性のあるマルク・マルケス。

 セパンのMotoGPクラスでは、2014年に優勝、2013年に2位入賞経験があるが、2015年にはバレンティーノ・ロッシと接触ギリギリのきわどいバトルを展開した末に両者が接触、マルケスが転倒しリタイアとなったセパンクラッシュ事件の当事者となった。

 昨年はウエットの決勝中、転倒リタイアに終わっている。今年の開幕前のセパンオフィシャルテストは3日間総合で3番手で終えている。

「フィリップアイランドで勝って、マレーシアGPを迎えることができてうれしい。オーストラリアでいい結果を残し、セパンの前にポイント差を開くことが重要であることは分かっていた。セパンは厳しいレースであり、昨年はドビジオーゾが優勝しているからね」

「セパンの厳しさのひとつに湿度の高さがあり、そしてもちろん気温が高い。フィジカルコンディション的には厳しいレースのひとつだと思う」

「いい点は昨年、再舗装された路面の状態がよく、グリップもいい。状況がどうなるか様子を見ながら、チャンピオンシップにとってベストなレースをしたい」

■アンドレア・ドビジオーゾ/ドゥカティ・チーム(ランキング2番手)
 オーストラリアGPでは13位に終わったドビジオーゾ。ポイントリーダーのマルケスが優勝したことで、ふたりのポイント差は日本GP終了時点の11ポイントから33ポイントへと拡大した。

 セパンではMotoGPデビューした2008年に3位表彰台を獲得。2010年には2位に入賞。その後、表彰台から遠ざかっていたが、昨年はポールポジションからスタートし、2009年のMotoGP初優勝以来となる通算2勝目を記録。今シーズンはここまで5勝をマークするなど、大きな躍進を図っている。

 今年の開幕前のセパンオフィシャルテストは3日間総合で4番手で終えている。タイトル争いに踏みとどまるためにもドビジオーゾにとってマレーシアGPは重要な一戦となる。

「フリップアイランドでは多くのポイントを失い、タイトル争いは厳しい状況になったが、僕は常にポジティブに考え、チャレンジングなコースであるセパンに乗り込む」

「昨年優勝したように(セパンでは)何かが起こるかもしれない。もし、マルケスがここ2戦のような速さを維持すれば、厳しいレースになるが、現時点で僕は可能な限りベストなリザルトを得られるようにトライするだけだよ」

■マーベリック・ビニャーレス/モビスター・ヤマハMotoGP(ランキング3番手)
 オーストラリアGPで3位表彰台を獲得したビニャーレスだが、チャンピオン争いからは脱落してしまった。

 今年の開幕前のセパンオフィシャルテストでは3日間総合でトップタイムを記録。Moto2時代の2014年には1勝を記録。MotoGPクラス1年目の2015年は8位、昨年は6位に入賞した経験を持つ。

「オーストラリアで表彰台に立った後、マレーシアに向けてモチベーションが高い。セパンは、フィリップアイランドとももてぎとも天候が異なるサーキットで、いつもとても暑く、フィジカル的に厳しいレースとなる」

「マシンのフィーリングはとてもいいから、タイトルの可能性がなくなったのは少し残念だけど、ランキング2位を獲得することが今の目標だ。シーズン序盤のように強く、セパンで再び表彰台に立たなければならない。それを達成するために努力するつもりだ」

■バレンティーノ・ロッシ/モビスター・ヤマハMotoGP(ランキング4番手)
 オーストラリアGPで2位に入賞したロッシ。サンマリノGP直前のケガから復帰して初表彰台となった。ランキング3位のビニャーレスとは31ポイント差あるものの、これでランキング4位に浮上した。

 セパンのMotoGPクラスでは、2003年、2004年、2006年、2008年、2010年に優勝を経験。2014年に2位、2015年に3位、昨年は2位と3年連続で表彰台を獲得している。

 また、2015年のマレーシアGPにはランキングトップで臨んだが、その前戦のオーストラリアGPのレース展開を巡って、マルケスを非難。これが決勝序盤でのマルケスとの接触ギリギリのきわどいバトルにつながり、ロッシがマルケスを押し出す格好でマルケスが転倒。このロッシの行為が最終戦バレンシアでの最後尾グリッドへの降格ペナルティにつながり、タイトルを逃すことになった。

 タイトル決定の舞台となったこともあるセパンは、レースキャリアの長いロッシにとって、悲喜こもごもの思い出の地だ。今年の開幕前のセパンオフィシャルテストでは3日間総合で6番手につけている。

「オーストラリアの後、落ち着いてセパンに臨まなければならない。僕たちはうまく行っており、さらに一歩を踏み出した。この点についてはハッピーだが、まだやるべきことはたくさんある。オーストラリアに続いてマレーシアで2週連続レースができることは重要だ。大きな期待はしていないが、もう一度すばらしいレースができるように努力するよ」

「セパンは好きなコースだから、天気がいいことを望んでいるし、天気がよければ可能な限りベストな方法で仕事に取り組むことができる。フィジカル的には問題はない。オーストラリアの後、休息を取り、金曜日には週末に向けた準備が整っているだろう」

■ヨハン・ザルコ/モンスター・ヤマハ・テック3(ランキング6番手)
 日本GPではポールポジションを獲得、オーストラリアGPではトップ争いに加わり、惜しくも表彰台を逃したものの、4位入賞でルーキー・オブ・ザ・イヤーを確定させたザルコ。

 セパンではMoto2時代の2015年、2016年と連勝した経験を持ち、今年の開幕前のセパンオフィシャルテストでは3日間総合で11番手につけている。

「セパンは魅力的なコースだ。今年初めのテストとこれまでのシーズンの経験が役立つと信じている」

「オーストラリアGPは素晴らしかったし、レース中のマシンのフィーリングがよかったことをハッピーに思う。今週末も表彰台、勝利をトップライダーたちと争いたい。マレーシアはいつも暑く、天候も難しいだろう。このことから、レースで強さを発揮できるように、僕自身、チームと共に十分に備え、マネージメントする必要がある。気負わず臨むつもりだが、もう一度、表彰台を争いたい」

■ダニ・ペドロサ/レプソル・ホンダ・チーム(ランキング5番手)
 フライアウエイラウンドの日本GPでリタイア、オーストラリアGPで12位に終わり、ランキング5位に後退したペドロサ。昨年のマレーシアGPはケガのために欠場したが、2012年、2013年、2015年と3勝を記録し、セパンを得意としている。

 今年の開幕前のセパンオフィシャルテストは3日間総合で5番手で終えている。

「マレーシアのレースを楽しみにしている。セパンではいい思い出がある。天気がかなり極端だから、簡単なレースではない。コースもワイドで、コーナーごとに異なるので、速く走るためにはよいラインを見つける必要がある」

「いいマシンセットアップを見つけることができれば、競争力があるのは分かっているから、金曜日からいいスタートを切り、日曜日にいい結果を残したい」

■ホルヘ・ロレンソ/ドゥカティ・チーム(ランキング7番手)
 前戦オーストラリアGPで15位に終わったランキング7位のロレンソ。この結果、ランキング6位のザルコとのポイント差が21ポイントに拡大した。

 セパンのMotoGPクラスでは2010年に3位表彰台を獲得。2012年に2位、2013年に3位、2014年に3位、2015年に2位、2016年に3位と高い表彰台獲得率を持っているが、まだ優勝経験のないコースだ。ドゥカティでどんな走りを見せるかに注目が集まる。今年の開幕前のセパンオフィシャルテストは3日間総合で10番手で終えている。

「セパンはフィリップアイランドとはまったく違うストーリーになるだろう。2本のロングストレートを構えるコースは、僕たちのバイクにより適している。残り2戦に全力をつくし、シーズンを最善の形で終わらせなければならない」
「金曜のフリープラクティスから正しく仕事を始め、ウインターテストから戦闘力が高まっていることを証明することが重要だ。レースウイークの始まりが待ち切れないよ」

■アンドレア・イアンノーネ/チーム・スズキ・エクスター(ランキング15番手)
 日本GPで4位、オーストラリアGPでトップ集団に加わり6位と復調を見せたイアンノーネ。アラゴンGP後に行なったテストで投入された新パーツ、新セットアップがフライアウエイラウンドで効果を発揮している。

 セパンではMotoGPクラスステップアップ後、4年連続リタイアに終わっているが、予選では2年連続6番手を獲得。昨年も転倒するまではトップ争いに加わっていた。今年の開幕前のセパンオフィシャルテストは2日目にトップタイムを記録、3日間総合で2番手で終えている。

「日本、オーストラリアといいレースができた。正しい方向に進んでいると確信しているよ。スズキはマシンの改善のために本当に努力しているし、僕たちは進歩しているから、とてもうれしい」

「オーストラリアのレースは楽しく、マシンの速さを感じることができた。残念ながら、最終ラップにタイヤが終わってしまい、(カル・)クラッチローとのポジション争いをキープすることができなかったが、セパンはよく分かっているコースだ」

「開幕前のテストではいいペースだったが、現在は状況が異なる。セパンでの問題は暑さとタイヤのパフォーマンスだが、もう一度いいレースができることを願っているよ」

■アレックス・リンス/チーム・スズキ・エクスター(ランキング17番手)
 日本GPで5位、オーストラリアGPで8位とトップ10でフィニッシュしたリンス。イアンノーネ同様にスズキのマシンのアップデートが結果につながってきた。

 セパンではMoto3時代の2013年に2位、2014年に3位表彰台を獲得した経験を持つ。

「日本とオーストラリアはポジティブな結果だったが、セパンは気温と湿度が高く、厳しいレースになると思う。開幕前のテストではこうしたコンディションに苦しんだ。しかし、テストのときよりMotoGPマシンに対してより適応しているよ」

「セパンの目標は、より多くの経験を積み、週末を楽しんで最大限に活用することだ。セパンはコース長が長く、僕にとってベストなコースではないが、僕らは改善の道のりを途中だし、このことがハッピーな理由となることを望んでいるよ」