今週末、マレーシアのセパン・インターナショナルサーキットでMotoGP第17戦マレーシアGPが開催される。日本、オーストラリア、マレーシアと3週連続で続く、フライアウエイラウンドのラストレース。今レースが終われば、最終戦のバレンシアGPを残すのみとなる。
マレーシアGPの舞台となるセパンサーキットは、1999年から世界グランプリのホストコースとしての歴史があり、MotoGPクラスのシーズンオフのテストの舞台としても利用されている。
1周5.548kmのコースは、約900mの2本のストレートを持ち、右コーナー10、左コーナー5の計15のコーナーで構成されている。MotoGPクラスのアベレージスピードは約165km/hと中速コース。スタート直後の1、2コーナーは右左の切り替しのあるタイトコーナーだが、その後は中高速コーナーや回り込んだコーナーが続くテクニカルコースとして知られている。
また、熱帯地方にあるため、高温多湿でライダーのフィジカル面ではタフなコースとしても知られており、さらに突然のスコールなど、セッション中にコースコンディションが急変することもある。
昨年の決勝はMoto3クラスがドライ、Moto2クラスはスタート直前に雨が降り出し、ウエット。MotoGPクラスはスタート直前に激しい雨となり、一度グリッドについたもののスタート進行がやり直しとなり、20周から19周に減算されてウエット宣言でスタート。6人のライダーがトップ争いを展開するが、このなかからマルク・マルケス(ホンダ)、カル・クラッチロー(ホンダ)、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が転倒で脱落。アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が優勝し、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が2位、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が3位に入賞した。
前戦オーストラリアGPでは、マルケスがシーズン6勝目を記録。ランキング2位のドビジオーゾはオーストラリアGPで13位に終わり、残り2戦でふたりのポイント差は33ポイントに拡大した。マレーシアGP終了時点でマルケスが25ポイント以上にリードを広げることができれば、タイトル確定となる。
マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)はイギリスGP以来の表彰台を獲得。ランキング3位をキープしたが、マルケスとのポイント差は50ポイントに広がり、タイトルの可能性はなくなった。
ロッシはオーストラリアGPで、ケガからの復帰後初表彰台となる2位に入賞し、ランキング4位に再浮上した。一方、オーストラリアGPで12位に終わったダニ・ペドロサ(ホンダ)はロッシと14ポイント差のランキング5位に後退した。
オーストラリアGPで表彰台争いに加わり、4位に入賞したヨハン・ザルコ(ヤマハ)は、前戦でルーキー・オブ・ザ・イヤーを確定。インディペンデントチームのタイトルを、ランキング8位のダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)、ランキング9位のクラッチローと争う。ザルコとペトルッチは27ポイント差、ザルコとクラッチローは35ポイント差となっている。
ランキング10位のジョナス・フォルガー(ヤマハ)は今レースも欠場。代役としてマイケル・ファン・デル・マーク(ヤマハ)が起用される。
SBKライダーのファン・デル・マークは、アラゴンGPでロッシの代役に起用される予定だったが、ロッシが早期復帰したため、アラゴンでの参戦は実現しなかった。今レースがMotoGPクラスデビューとなる。
また、ランキング13位のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は前戦オーストラリアGPの決勝で転倒した際に、左手第4中手骨を骨折したため今レースを欠場。アレイシ・エスパルガロは手術を受けるためにスペインに帰国。チームは今レースに代役は立てない。