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フェルスタッペン「大きな誤りを指摘するのはF1ドライバーの務め」。ペナルティ批判を取り消さず

2017年10月26日 10:12  AUTOSPORT web

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2017年F1第17戦アメリカGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、F1アメリカGPでのペナルティを批判したことについて、自分にはF1で大きな誤りが起きた場合にはそれを指摘する義務があると発言した。

 決勝ファイナルラップでフェルスタッペンはキミ・ライコネンを抜いて3位に上がり、表彰台を獲得したかに思えた。しかしフェルスタッペンがオーバーテイクの際に4輪がコースから外れた状態でアドバンテージを得たと判断したスチュワードは、彼に5秒のタイムペナルティを科すことを決めた。これによってフェルスタッペンは4位に降格、表彰式に出席する準備をしていた彼は、控室から引き上げなければならなかった。

 この裁定に不満を抱いたフェルスタッペンは、決勝直後、スチュワードとその決断を激しく批判した。

「僕らはものすごくいいレースをしていた。でも、こんなばかげた裁定を下すようであれば、結局はF1というスポーツに致命的なダメージを与えることになる」とフェルスタッペン。

「愚かなスチュワードがひとりいて、いつでも僕に不利な裁定を下すんだ」

「全員がいたるところでコースからはみ出しながら走っていた。(バルテリ・)ボッタスの時も同じだ。僕が仕掛けたら、彼はコースからいったんはみ出して、戻って来た。彼は間違いなくそれによってメリットを得たのに、それに対しては何のペナルティも科されなかった」

「このスポーツ全体にとってよくないことだ。何が許されないのかを、規則上で明確にすべきだ」

「彼らが下した判断について、抗議することもできない。おかしな話だよ」

「ファンは(オーバーテイクシーンを)喜んでくれている。そういうことをしたのに、表彰台からそのドライバーをつまみ出して、帰れと言うなんて!」

「ファンにとってもよくないことだ。来年は皆、来ない方がいいよ。これではスポーツとして意味をなさないからね」


 フェルスタッペンが言う「愚かなスチュワード」とは、ギャリー・コネリーであると考えられている。フェルスタッペンは、2016年メキシコGPで、コースをショートカットした際に後ろを走っていたセバスチャン・ベッテルにポジションを譲らなかったとして、5秒加算のペナルティを科されて3位から降格された。この時のスチュワードグループのなかにもコネリーが含まれていた。レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、「去年のメキシコと同じスチュワードがいたのは偶然ではない」と発言している。

 フェルスタッペンは、おそらくコネリーのことを、オランダのスラングを使って「ばか」と呼んだが、これについて決勝翌日に聞かれ「気持ちが高ぶっている時に言ったことだ」とZiggo Sport Totaalに対して語った。

「もう怒っていない」とフェルスタッペンはDe Telegraaf紙に対してコメントしている。
「僕はすごいレースをした。今は、そういう思いの方が圧倒的に大きい。でもスチュワードのことを“ばか”と言ったことについては撤回するつもりはない」

「あれはフェアではなかった。僕もレッドブルも控訴することができないんだ」

「そんなのばかげている。変える必要があるよ。ドライバーの僕には、F1で何か大きな誤りがあったときにはそれを指摘する義務がある。あれは大きな誤りだった」

 スチュワードへの発言を取り消すつもりはないと言ったフェルスタッペンだが、「あれは興奮しているときに言ったことで、暴言を吐くつもりはなかった。誰かを傷つけるつもりはなかったんだ」とも述べている。