2017年10月25日 15:43 弁護士ドットコム
10月22日に投開票があった第48回衆院総選挙の開票所で、候補者の名前が書かれた投票用紙を撮影した画像がツイッター上で出回っている。自民党の平将明氏や立憲民主党の井戸正枝氏の名前が書かれたものが散見することから、開票所のある選挙区は東京4区(東京都大田区)とみられる。
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出回っているのは、候補者の名前を書き損じたり、漢字を間違えていたり、意味不明な言葉が書かれた投票用紙など。大田区選挙管理委員会によると、開票の様子は、一般の人でも参観することができる。同選挙区内に開票所は1か所しかなく、画像はその参観席から、望遠機能があるカメラを使って撮影された可能性が高いという。
そもそも、開票所で写真撮影をしても問題ないだろうか。実は、法律上、開票所での撮影は禁止されていない。一般の人は、開票作業をしている場所には立ち入れないが、参観席から撮影することは可能なのだ。各選挙管理委員会ごとの規程で、禁止されているところもあるが、大田区選挙管理委員会では定めていないという。
今回のケースではさらに、投票用紙の画像がSNS上に投稿されている。憲法や公職選挙法で定められた「投票の秘密」を侵害する行為にあたらないのだろうか。
大田区選挙管理委員会の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に「『投票の秘密』の曝露にあたるという解釈もあれば、もはや誰が書いたものかわからないことから直ちに曝露にあたらないという解釈もあると考えられる。いずれにせよ、即答しかねる」と回答した。
たとえ撮影を禁止したとしても、実効性をどう担保するのかという問題も残る。カメラを持っていないかどうか身体検査したり、報道機関とどう区別するのかという問題があったり、そうしたことをチェックする人員を配置できるのかといった課題があったりするからだ。同担当者は「今回のケースを受けて、どうするか対応を検討中だ」と述べた。
(弁護士ドットコムニュース)