歌手のGACKTさんは自身のブログで10月23日、日本のサービス業に対する考えを綴った。
GACKTさんは22日、フォーシーズンズホテル京都で打ち合わせをした。同ホテルはカナダに本部があり、世界全国に展開しているホテルだ。このホテルの利用は初めてだと言い、
「ここまで豪華な作りはなかなかなものだ。このホテルは最低一泊30万からしか泊まれないらしいが、海外からの客でごった返している。素晴らしい」
と称賛している。その一方で、日本のサービス業についても言及した。
安すぎる価格設定「その値段でまともに店はやっていけない」
「日本はサービス業が70%近くもあるのに、ほとんどがうまく行っていない」といい、問題点として下記のように指摘する。
「一つの問題は、海外の平均から比べると飲食店の価格提供の安さも大きな原因の一つだ。昼食が800~1000円という価格は正直おかしい。その値段でまともに店はやっていけない」
また多くの飲食店が"ブラック企業認定"されることについては「そもそも日本の価格設定と人件費のバランスの悪さに根源的な問題があるとボクは思うのだが…」と持論を述べた。
これに対してコメント欄では「仰ってる問題点、ホントです。安過ぎるの、問題だと思います。それでブラック企業化するなんて」など同意する声も寄せられていた。
業界別で見ると最も賃金が低いのが「宿泊・飲食業」
GACKTさんのいうサービス業は、非製造業で広義のサービス業である"第3次産業"のことを指すと考えられる。
内閣府が2014年に発表した資料によると、サービス産業従事者は1970年には全体の41%だったが年々増加し、2010年には68%と雇用シェアの7割程度を占めている。
経済活動別のGDPも1970年には47%だったが、2010年には71%と増加している。さらに「製造業従事者の中でもサービス業的職業に従事する者の割合が増えている」と記されている。
しかし厚生労働省の「2016年賃金構造基本統計調査」では、産業別の平均賃金で「宿泊業、サービス業」が最も低く、男性は271万1000円、女性は196万7000円だ。一方で最も高いのは、男性が「金融業、保険業」(466万4000円)で、女性が「教育、学習支援業」(304万2000円)となっている。
金融業や保険業は年齢階級が高くなると賃金も上昇する傾向にあるが、宿泊業、飲食サービス業などは他の産業に比べ、賃金カーブが緩やかとなっている。サービス業従事者が疲弊しきる前に価格設定の見直しも含め、いびつな業界構造を何とかしていくべき、ということだろう。