友達や恋人が基本おらず、常に1人で行動するいわゆる「ぼっち」には、2パターンあるような気がする。ひとつは、1人でいる状態が快適で、自分から好んでぼっちでいる人。これは人付き合いの面倒臭さに疲れてしまった人に多いケースだろう。
そしてもうひとつは、本当は人付き合いを欲しているのに、気づいたらぼっちになってしまっているケース。こちらの場合は消極的で塞ぎ込みがちな性格などが原因でぼっち状態に陥っており、本人も苦しんでいることが多いのが特徴だ。(文:みゆくらけん)
「輪に入ろうとすると笑われるのではないか」と心配
先日のガールズちゃんねるにも、そんな女性が「ぼっちから脱出したい!」と投稿していた。彼女は自分の性格や自信のなさがぼっち状態を作り上げていると自覚しているようで、
「自分のコミュニケーション能力のなさが不甲斐ないと思いつつ、輪に入ろうとすると笑われるのではないかと思い、いつも遠巻きに見てしまいます」
と心境を伝え、ぼっちからの卒業を目指すための方法や心構えなどについて相談している。
「本当は友達が欲しいのにできない」―。自分から選んだぼっち状態ならともかく、コミュニティに入りたいのに何か(性格など)が邪魔して入れない、というのは本人にとってとても辛い問題だろう。なぜ、皆が普通にできていることが自分にはこんなにも難しいのか、と日々悩む。
集まったコメントの中には「積極的に行く!少し傷ついても行く!」「友達より彼氏作った方がいい」「少人数で仲良くなれる人を探す」など具体的なアドバイスもあったが、おそらくそれらの意見は投稿者の女性にとっては「それができたら苦労してない」という可能性がある。つまりは具体的にどう行動するかよりもっと手前のメンタル部分の問題であるような気がするのだ。
「笑われてる訳じゃ無いのに笑われるかもなんて思わないで」
特に気になるのは、「自分のコミュニケーション能力のなさが不甲斐ない」「輪に入ろうとすると笑われるのではないか」などという書き込みから測れる圧倒的な自己評価の低さだ。筆者はそのメンタルにこそ、ぼっちになる原因が詰まっているのではないかと考える。
「周りの人は そんなに嫌な人たちじゃないよ。笑われてる訳じゃ無いのに笑われるかもなんて思わないで」
このようなコメントもあったが、筆者も同感だ。
自己評価が低い人は他人とのコミュニケーションが苦手であることが多い。あくまで推測だが、過去に人間関係でのトラウマがあったか、生まれ育った環境が自己肯定感の低いセルフイメージを形成したのかもしれない。「素のままでいる自分には価値がない」「もっと頑張らないと認められない」と無意識で考えてしまいがちな人は、かなりの確率で「生きづらさ」を抱えている傾向があるように思う。
「自分の話なんかどうせ面白くない」と感じている人の「オドオド」した様子は緊張感が相手に伝わってリラックスした空気にはなりづらく、結果友情に発展しにくい。乱暴に言ってしまうと、素人の話の内容の面白さなんて所詮はどんぐりの背比べ。素のままの自分を認め、解放した途端に自然に人が寄ってきてぼっち状態から抜けられた、という人のコメントもあったので最後に紹介したい。
「ぼっち脱出したいって積極的になった時は上手くいかなかったけど、社会人になって『ぼっちでも趣味が楽しいしいいや』ってのびのびするようになったら不思議と人が寄り付いて恋人まで出来た。だからあまり脱出したいとか意識せずに日々をマイペースに楽しく生きれば人が寄ってくると思う」
気にしすぎもよくない、ということだろう。