飛田正浩が手掛ける「スポークン ワーズ プロジェクト(spoken words project)」がウィメンズをスタートして20年目となる今年、初のメンズアパレルプロジェクト「エス プロジェクト(s project)」を始動する。2018年春夏シーズンから「ハウス@ミキリハッシン」などで展開される。
スポークン ワーズ プロジェクトでは、2017-18年秋冬シーズンからウィメンズラインとリンクさせながらメンズラインを展開。卸での展開や共同でイベントを開催するなど関係の深いミキリハッシンから提案を受けたことをきっかけに今回新たなコンセプトの元、プロジェクトを始動させた。20年間培ってきたクリエーティブを基盤に、メンズ用の工場を開拓するなどテキスタイルやパターン、ソーイングのプロセスを一から再構築したという。
ミキリハッシンとタッグを組み、ファーストコレクションでは袖口や首回り、裾などにグラフィックのプリントを施し、レイヤードするとちらっと柄が見えるインナーをメインに製作。同ブランドは手作業のプリントや染めを施したテキスタイルに定評を得ているが、「素材作りからしていると最後の詰めのところまで相当な距離があり、スタイリングはどうしても後回しになっていた」(飛田)という。ミキリハッシンと組むことで、美大出身の飛田によるアート感覚とミキリハッシンのストリート感覚がバランスよく溶け込んだコレクションに仕上がった。
エス プロジェクトのロゴは、ストリートでよく見られるようなブランド名の一部を塗りつぶしたようなデザイン。これについて飛田は「スポークンワーズプロジェクトを否定するわけではないがひとつ抜け出したり、スポークンにさよならを告げるという意味も少しある。20年自分が愛してきたブランドに墨を塗るのは気が引けたが、決意みたいなもの」と話し、今後は「s project」のSをRに変えて「リサイクルプロジェクト」、Aに変えて「アートプロジェクト」など、さまざまなプロジェクトへと発展させることを視野に入れている。
【関連記事】なぜ今メンズラインを始めるのか?スポークン ワーズ プロジェクトに問う