SBK第12戦のスペイン・ラウンドでデイビスが連続表彰台を獲得、メランドリもレース2で2位表彰台に登壇
2017 スーパーバイク世界選手権(SBK)第12戦スペイン・ラウンドが、へレス・サーキットで開催された。Aruba.it Racing - Ducatiチームのチャズ・デイビスは、土曜日のレース1で2位、日曜日のレース2で3位に入賞し、2レース連続で表彰台を獲得した。チームメイトのマルコ・メランドリは、レース1では首位走行中に惜しくもリタイアを喫したが、レース2では2位でフィニッシュ、チームメイトとともに表彰台に登壇した。
レース1
金曜日のフリー走行の時間が限られ、不本意な8番グリッドからのスタートとなったデイビスだが、レースでは不屈の精神を見せてポジションを回復した。レースは途中赤旗中断して、2ヒート制となり、19周に短縮された。再スタートでは、いつもどおりの力強いスタートを決め、トム・サイクス(カワサキ)と激しく長いバトルを続けながら2位でフィニッシュし、チャンピオンシップでランキング2位を争うための貴重なポイントを獲得した。
チームメイトのメランドリは、スーパーポールで素晴らしい走りを見せ、コースレコードを更新する1分38秒960をマーク。レースでもコースレコードとなる1分40秒938を叩き出し、2番手のジョナサン・レイ(カワサキ)に1秒以上のアドバンテージを稼ぎ出していた。しかし、残り4周時点でメカニカル・トラブルに見舞われ、リタイアを余儀なくされた。
リバースグリッド・システムにより、レース2では、デイビスが8番グリッド、メランドリが10番グリッドからのスタートとなる。
レース1のコメント:
チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7) -2位
「昨日のフリー走行第2セッションでは、ほとんど走れなかったが、今日は良いレースができたので、本当に嬉しい。フリー走行の時間が1時間ほど少なくなってしまい、タフな展開を強いられた。路面が再舗装されていて、考慮すべき要素が多くなったのも事実だ。レース中もサーキット・コンディションを学習する必要があり、状況に合わせるのに数ラップを要した。サイクスとは長いバトルの末に、わずかだがポイント差を縮めることができた。今日は、これ以上は望めないと思う。マルコの不運なリタイアは残念だった」
マルコ・メランドリ(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#33) -リタイア
「今シーズンのベストレースになるはずだった。これまで以上に強さを実感していた。路面がそれほどバンピーではないサーキットでは、加速時に挙動が乱れる心配も少ない。おかげで、コーナーに特化したセットアップを採用することができた。限界ギリギリまでプッシュすることもできた。レースが終わる前にリタイアしてしまったので、勝てたかどうかはわからないが、最後の最後まで首位を争えたことは確実だと思う。素晴らしいチャンスを逃したのは残念だが、明日は最善を尽くして今日の分を取り戻したい」
アーネスト・マリネッリ(スーパーバイク・プロジェクト・ディレクター)
「今週末のチャズには、若干苦しんでいるところがあったので、レース中にペースを取り戻して2位で終えたことは大きい。ランキングの2位争いでも、その差を切り詰めることに成功した。大きなチャンスを逃したマルコは、本当に残念だった。ハードワークの末、彼がポテンシャルをフルに発揮できるセットアップが見つかったが、メカトラブルのせいで結果を出す前にレースを終えることになった。マルコのライディングには、まったくミスがなかった。ふたりとも素晴らしいポテンシャルを披露してくれたので、自信を持ってレース2を迎えられる」
レース2
10番グリッドからスタートしたメランドリは、前方がクリアになるとウィナーと変わらないペースで周回を重ね、2位でチェッカーを受けた。一方のデイビスは、スタート直後の混乱に巻き込まれた。この混乱の中で発生したクラッシュにより、レースは赤旗中断となった。再スタート後のデイビスは、力強い走りを見せて3位でフィニッシュ。チャンピオンシップ・ポイントでサイクスと並び、勝利数の多いデイビスが2位に浮上した。
第12戦終了時点のランキングでは、デイビス(363ポイント)とメランドリ(301ポイント)は、それぞれ2位と4位につけている。最終戦となるカタール・ラウンドは、11月2日~4日にロサイル・サーキットで開催される。
レース2のコメント:
マルコ・メランドリ(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#33) -2位
「ハードなファイトの末に勝ち取った2位なので、勝ったような気分だ。10番グリッドからのスタートだったため、上位に進出するのは容易ではないと覚悟はできていた。レイのペースが良いことはわかっていたので、序盤から彼について行こうと思っていた。良いペースでポジションを上げられたが、ファン・デル・マーク(ヤマハ)とターン5で接触して少しタイムをロスすることになった。ふたりでレイを追いかけるパターンもあったはずだが、お互いにバトルになってしまい、タイムを失うことになった。あの状況では、2位が精一杯だ。だが、ようやくチャズと最後までファイトすることができて嬉しい。カタールに向けて新たな自信が芽生えている。僕らはまだ進化し続けている」
チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7) -3位
「今日のリザルトは、素直に嬉しい。2レース連続で表彰台に上るのは簡単ではない。今週末はベストを尽くしたと思う。金曜日の朝から、厳しいラウンドになることは分かっていた。ターマックが一新されて、かえってトリッキーな状況が生まれていたが、うまく対応することができた。今日のグリッドポジションでは、優勝を望むのはかなり厳しいが、重要な目標はサイクスとのポイント差を詰めることだった。おかげで、彼とポイントで並ぶことができたので満足している。2016年のカタールではかなり良いパフォーマンスを見せられたので、今年の最終戦も全力で臨みたい」
ステファノ・チェッコーニ(Aruba S.p.A CEO兼チーム代表)
「厳しいラウンドだったが、最後の最後でマルコとチャズが揃って表彰台に立ってくれた。スタッフと同様、彼らは素晴らしい決意とコミットメントを示し、好成績を残した。カタールでは、ドゥカティのアドバンテージを活かして表彰台の頂点に立ち、有終の美を飾りたい」