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豪州SC:ゴールドコースト600はマクローリン/プレマ組が13番手から大逆転勝利

2017年10月23日 17:52  AUTOSPORT web

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耐久カップ戦でも好調を維持するDJRペンスキーのスコット・マクローリン/アレクサンダー・プレマ組
VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第12戦となるゴールドコースト600が10月21~22日に開催され、300kmレースを2日間に分けて争われた週末で、雨の土曜レース1をプロドライブ・レーシング・オーストラリアのチャズ・モスタート/スティーブ・オーウェン組が、快晴の日曜レース2を王者候補のDJRペンスキー、スコット・マクローリン/アレクサンダー・プレマ組が13番グリッドから制する劇的なレースを披露した。

 前戦のバサースト1000に続き、シリーズに全5戦が設定される500km以上の長距離ラウンド“エンデュランス・カップ”の第3戦として開催されたゴールドコーストは、東海岸沿いに続くビーチサイドのストリートコースが舞台。高い縁石とコース両脇に迫る壁の間を、豪快にマシンを振り回してバトルを繰り広げる典型的な市街地レースとなる。

 そのコース状況の厳しさに拍車をかける雨の肉弾戦となった土曜は、モスタート組のフォード・ファルコンFG-Xがポールポジションを獲得。フロントロウにレッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)のジェイミー・ウィンカップ/ポール・ダンブレル組(ホールデン・コモドアVF)が並んでのスタートとなった。

 ヘビーレインのトラックではライン上に数多くのウォータースポットが点在し、マシンが通過するたび大きな水しぶきが上がるコンディションのなか、トップ2台がウォータースクリーンに苦しむ後続を引き離しリードを構築。

 その2台に追いすがったのは、ブラッド・ジョーンズ・レーシング(BJR)の耐久カップ登録ドライバー、アンドレ・ハイムガートナーで、序盤にトップ2台に追いつくとトラクションを効かせたコンパクトなライン取りを駆使しすぐさまオーバーテイク。リードを築いたままチームメイトのレギュラー、ティム・スレードへとバトンタッチした。

 その後方、2番手争いとなったオーウェンの55号車ファルコンと、ダンブレルの88号車ホールデンの2台の間で、35周目にアクシデントが発生。

 シケイン状に設定されたコーナーへのアプローチで、オーバーテイクを試みたRBRAのダンブレルがイン側でロックアップ。そのままターンインを開始していた前方のオーウェンに追突。Tボーンのような状態で押された55号車はスピンを喫し、ダンブレルはウィンカップへのドライバー交代時に15秒のペナルティを課されドロップする事態に。

 一方、首位を快走中だったBJRのスレード/ハイムガートナー組ホールデンは、2度目のピットストップでエアジャッキのトラブルに見舞われタイムロス。

 これでヒットされながらも軽度のダメージで済んだ55号車が首位に返り咲き、オーウェンからモスタートにスイッチ。そのピットアウト時にはチームメイトとなるマーク・ウィンターボトムのファルコンとファストレーンで交錯するアクシデントもありながら2番手でトラックに復帰すると、前を行くこちらもチームメイト、キャメロン・ウォーターズ(/リッチー・スタナウェイ組)のモンスター・フォード・ファルコンをかわし、2.5秒差でトップチェッカー。

 BJRのスレード/ハイムガートナー組が3位に入り、ペナルティに泣いた88号車は結局6位に終わった。

 続く日曜の300km後半戦は、完全なドライト路面となった快晴のもとスタート。

 フロントロウには2台のRBRA、97号車シェーン-ヴァン・ギズバーゲン(SVG)/マット・キャンベル組と88号車ウィンカップ/ダンブレル組が並ぶと、オープニングでは2番グリッドからスタートドライバーを務めたダンブレルがトップに。

 前日とは打って変わり、コーナーエントリー速度が大きく上昇するなか、集団を形成する各車が前のマシンのインを狙う攻防のなかで相手をプッシングで回してしまうアクシデントが頻発したが、今季のタイトルコンテンダーで、ここまで好調を維持するDJRチーム・ペンスキーのスコット・マクローリン(/アレクサンダー・プレマ組)が13番グリッドからの奇襲を見せた。

 最初のピットストップ・ストラテジーを他車とずらすことにより、レース序盤からクールエアでの走行を選択したDJRペンスキーは、102周レース最後のピットストップ時点でSVGとウィンカップの前に出ることだけを狙ってペースをマネジメント。

 ウォールへのコンタクトやバトルの接触でパックのペースが乱高下する中、順調にタイムを稼ぎ出したシェルVパワー・フォードのファルコンFG-Xは、最終スティントに向けピットアウトしたレッドブル・ホールデンの鼻先を掠めるようにして首位浮上に成功すると、そのままウィンカップと1.5秒のマージンをたもったままトップチェッカーを受けた。

 3位にはフィニッシュライン通過直後にガス欠でマシンを止めたSVGのRBRAが入り、4位のクレイグ・ラウンズと合わせて、トリプルエイト・レースエンジニアリングが3台のマシンを上位に送り込んだ。

 前戦バサースト1000終了時に選手権首位に立っていたマクローリンのチームメイト、ファビアン・クルサードは2日間ともに精彩を欠きポイントリーダーから陥落。代わってRBRAのウィンカップが首位に立ち、2位クルサード、3位マクローリンまで27ポイント差という大混戦となっている。