デスクワーカーはスーツと革靴が当たり前とされていたが、最近ではカジュアルな格好での勤務を取り入れる会社も出てきている。スポーツ庁ではスニーカー出社を勧めるなど、ビジネスでのファッションは変わりつつある。
ユニクロは10月19日、同月26日の「デニムの日」に先立ち、ジーンズに関する調査結果を発表した。調査では、ビジネスシーンでのジーンズの着用の実態、印象、心理的効果などについて聞いた。
調査は、今年10月7~9日の間、全国の20~59歳の有職者(公務員は除く)を対象に実施。1000人から回答を得た。
ジーンズを穿くメリット「親近感を持ってもらえそう」
「ジーンズを穿いて出社してみたいか」の問いには、47.3%が「あてはまる」と回答。半数近くの人がジーンズ出勤に魅力を感じている。「就業時にジーンズを穿くことへの是非」を聞くと、全年代平均で75.5%が「穿いても良いと思う」と答えた。年代別でも回答率に大きな差異はなく、ジーンズ出社は受け入れられているようだ。
比較的会社の歴史が長く、就業規則が厳しい企業が多いとされる「不動産業」、「商社」、「保険会社」「証券会社・銀行」においても6割ほどが「就業時にジーンズを穿いてもいい」と回答している。「ジーンズを穿くことでの印象変化」を質問すると、「良くなる」が56.8%と半数以上だった。
「職場で上司がジーンズを穿いている場合の印象」では、「カジュアル」が48.5%で最多。「親しみやすい」(26.1%)、「クリエイティブ」(14.3%)など前向きな回答が続いた。
ジーンズを穿いて就業した経験がある人にビジネスシーンでのメリットを聞くと、「リラックスできる」が45.8%でトップ。「親近感を持ってもらえそう」(28.0%)、「自由な発想ができそう」(28.0%)などが多かった。
ジーンズが「閉塞感のある現状にもブレイクスルーをもたらしてくれる」?
これだけ好印象なジーンズだが、実際に終業時にジーンズを着用している人は24.4%と、4人に1人にとどまる。その理由は「禁止されているから」が41.7%で最も多いが、「なんとなく」(20.6%)、「着てはいけないような雰囲気があるから」(19.6%)、「取引先の目が気になるから」(7.4%)など根拠に欠ける理由で着用を控える人が多い。
リリースでは、スタイリストで服装心理カウンセラーの久野梨沙さんが、「ジーンズを穿くと親しみやすさを演出するのに最適」と述べる。ジーンズは元々作業着として開発されたため、丈夫で緊張感がなく、自然とリラックスした状態になるからだという。
過去の働き方や常識は時代とともに変わりつつあり、IT化や多様性によるイノベーションも求められている。こうした状況を受けて久野さんは、就業時のジーンズ着用について
「型にはまらないカジュアルなジーンズスタイルを取り入れることこそが、人に、職場に自由度をもたらし、閉塞感のある現状にもブレイクスルーをもたらしてくれるのではないでしょうか」
と話した。