鈴鹿サーキットで開催予定だった全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦の決勝レースが中止となり、ランキングも予選結果をもって決定した。21日夕方に開かれた会見ではランキングトップ3が登場。ランキング3位確定となったフェリックス・ローゼンクビスト(SUNOCO TEAM LEMANS)が胸中を語った。
ローゼンクビストは28.5ポイントを獲得し、ランキング3位で最終戦鈴鹿に乗り込んだ。迎えた21日の予選では、ローゼンクビストは荒天による赤旗中断からの再開後すぐに1コーナーでコースオフを喫してタイヤバリアに突っ込み、タイムを計測できないまま予選を終えていた。
この予選では赤旗中断が相次ぎ、Q1をもって予選全セッションが終了。レース1、レース2のグリッド順はQ1の結果のみで決定された。ローゼンクビストは予選日を振り返り、「複雑な1日だった」と語りつつもチャンピオンシップで3位を獲得できた喜びを述べた。
「チャンピオンシップで3位を獲得できたことはとてもうれしいよ。僕はラッキーだ。今日の予選(結果)を見ても、タイトル争いはできなかっただろうから。結果的には、僕はハッピーだったね」
「今年は面白いシーズンだったよ。ところどころにたくさんの奇跡があって、結果につながったんだ。(チャンピオンシップで3位を獲得できたことは)僕たちにとってはうれしいことだ。来年も参戦することになったら続けてチャンピオン争いができればいいなと思うよ」
ローゼンクビストにとってスーパーフォーミュラ初年度の2017年。日本でのレース参戦という新たな挑戦となったこの1年を、ローゼンクビストはこう振り返る。
「(スーパーフォーミュラに参戦して)たくさんのことを学んだ。僕にとって高いパフォーマンスのフォーミュラカーでのレースは今シーズンが初めてだった。たくさん勉強になったし、楽しい時間もたくさん過ごせた。それから、時差ボケには薬はないということもよくわかったよ(笑)」
「コミュニケーションの面では、レーサーとしても大きなチャレンジだったしね。違う言葉、違う文化ということで最初は苦戦したんだ。でも、あきらめずに改善に向けて努力した。一年間を振り返ってみてもいいコミュニケーションがとれるようになったと思う。僕もみんなもがんばったし、(そのことを)誇りに思ってる」
さらに、ヨーロッパで戦っている後輩や同年代のドライバーに対して、スーパーフォーミュラはおすすめしたいか、という質問に対し、ローゼンクビストは「ぜひ参戦してほしいね」と明快に答えている。しかし同時に、日本人ドライバーがもっとヨーロッパで走ればいいのではという思いも抱いているという。
「2016年までは、スーパーフォーミュラはそれほど海外では知られていなかったんじゃないかと思う。でも、2016年から2017年にかけて知られるようになったんじゃないかな。世界中の選手が興味を示していると思うよ。僕のライバルであるフォーミュラEのドライバーも興味を持っているしね」
「それから、日本人選手は世界的にまだ知られていないけど、すばらしい選手がたくさんいるよね。みんなにヨーロッパに行って、レースを体験してほしいと思うよ。F2にもF3にも数人しかいないのが不思議だ。(ヨーロッパと日本の間で)選手の交換がもっと多く行われればいいんじゃないかな」