アメリカGP土曜日の朝、FIAはセバスチャン・ベッテルがシャシー交換し、そのシャシーを使用したマシンが車検に合格したと発表した。
ベッテルのシャシーは金曜日のフリー走行2回目に入って、突然変調を来した。通常、フリー走行2回目は軟らかいタイヤでの予選アタックの確認と、燃料を積んだ状態で2種類のタイヤでのロングランの確認を行うため、忙しい。
にもかかわらず、セッションが開始された後もベッテルだけ、なかなかコースインしない。しかも、マシンは『馬』と呼ばれる台の上に乗せられたままだった。
よく見ると、フロントサスペンションのアライメントをチェックしている。セッションが開始された後にこの作業を行なっているのは珍しい。しばらく、ガレージの前で観察していると、今度はステアリングロッドに特殊な装置を差し込んでフロントアクスルの調整を始めた。
この作業も、セッション中に行うのは稀である。この段階で、ベッテルのマシンは何らかの問題を抱えていた。
その7分後にベッテルはコースインしたが、19コーナーでスピン。右フロントタイヤにフラットスポットを作って、すぐにピットインした。
その後、再びコースインしたが、「フロントアクスルの感触がおかしい」とベッテルが訴え、ピットイン。すぐにメカニックがマシンを調べたが、問題を特定することができなかったため、フェラーリは安全を考慮し、シャシーを交換することを決めたのである。
じつはこの日、フェラーリのガレージには金曜日の朝に到着したばかりの新しいフロアとカウルが運び込まれていた。それをベッテルが使用していたかどうかは確認されていないが、わざわざ空輸したパーツを使わないとは考えにくい。
もし、それらを使用していたとしたら、それらのパーツに問題があった可能性も考えられる。
土曜日にシャシーを交換したベッテル。問題が解決されたどうかは、フリー走行3回目で新シャシーを走らせるまで、わからない。