鈴鹿サーキットで10月22日に開催予定だった全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦の決勝レースが中止となったことにより、チャンピオンが石浦宏明(P.MU/CERUMO · INGING)に決定した。同時にランキングも確定し、最後まで石浦とタイトルを争ったピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)は年間ランキング2位、そしてルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、シーズン最後の会見に出席した。
ガスリーは最終戦を33ポイント、ランキングトップだった石浦には0.5ポイントという僅差で迎えた。序盤こそノーポイントのレースが続いたが、2度の優勝と1度の3位表彰台を獲得。最終戦が台風21号の影響で荒天が予想されることにより決勝レースが中止となったことで、ガスリーのポイントランキング2位、同時にルーキー・オブ・ザ・イヤーの獲得が確定した。
「振り返ってみるとすばらしいシーズンだった。最初からチームはベストを尽くしてくれた。2回勝つことができたし、ポディウムにも何度も上がることができた。最高のシーズンだったよ。ルーキー・オブ・ザ・イヤーも獲得できてとてもうれしい」
「でも、本当ならば、最後の最後のレースで、石浦選手と戦って結果を出したかったのが正直なところだ。明日の決勝レースがなくなったのは残念だよ。これまでのレースの歴史のなかでも今回のような状況はなかなかない、珍しい週末になったね」
「今日のフリー走行も天候が不安定でいろいろ複雑だったし、予選も赤旗などでとても短くなった。どうなるだろうと。なかなか経験したことがない週末になった。この場を借りて、石浦選手にはおめでとうと言いたい。すばらしい選手と戦うことができたことは光栄に思ってるよ」
「スーパーフォーミュラに参戦することになったことは、大変なチャレンジだったよ。すばらしいレーサーたちと一緒に走ることができて勉強になった。ドライバーとして、人間として成長できた一年だったと思う。この場を借りて、チームとホンダに感謝したい。はじめからみんなで力を合わせていろいろなアドバイスをしてくれて一緒にがんばった。だからこそ最後にレースをしたかったのが正直なところだけど……。いい経験になった。みんなにありがとうと言いたい」
関係者に感謝の気持ちを述べる一方、やはり中止という決定には複雑な心境であることを隠さなかった。
「中止決定を聞くまではとても集中していた。今日はこういう状況のなかで、自分たちのポテンシャルを見せることはできなかったし、常にトラフィックに引っかかったりして、なかなか力を出せなかったので、フラストレーションも溜まっていた」
「今回はクルマが調子がよく、PP獲得できると思っていたから、なおさら悔しく思っていた。明日はレース1のグリッドが8番手でレース2は6番手。雨の中ではなんでも起こりうるので、いろいろ頭のなかでシミュレーションして頑張ろうとモチベーションが上がっていたところだったんだ。中止だと聞いて、まだ気持ちの整理ができていない。がっかりした気持ちだよ」