2018年型マシンの設計が進行するなか、メルセデスF1が来シーズンに向けて、まったく異なるマシンコンセプトを取り入れたとの報道がある。
メルセデスは4年連続のコンストラクターズタイトル獲得に王手をかけているが、チームにとって今季は常に順風満帆というわけではなかった。少なくとも今シーズンのアジアラウンド前までは、フェラーリと激戦を繰り広げていたのだ。
メルセデスの『W08』は速さを発揮してはいるものの不安定さを露呈しており、ハイダウンフォースが要求されるコースではパフォーマンスにブレが生じがちだった。そのためチームのトップであるトト・ウォルフは、このマシンを「気難しいお姫様」と呼ぶようになった。
ドイツのAuto Motor und Sport誌は、ジェームズ・アリソンが率いる設計部門が2018年に向けてはアプローチを変更し、レッドブルが最近取り入れて効果を上げているハイレーキのようなコンセプトを採用するのではないかと報じている。
メルセデスのエンジニアは「コンセプトは完全に変更になるだろう」と同誌に語り、こう続けた。
「まったく異なるフロアと、異なるタイプのディフューザーが必要になる。そうした変更を行うと、開発のスタートが遅れるというリスクがある」
今年初めにチームを離れたパディ・ロウの後任として技術部門の責任者となったアリソンは、ウォルフが2017年型マシンを“難しいマシン”と評価していることを認めた。
「我々にとっては悪いマシンではない」とアリソンは言う。
「しかしながら我々は、簡単にコースに送り出せて、その性能の最後の部分まで引き出せることが保証されたマシンを欲している」
「今シーズン加えてきた変更によって、来年はもう少し扱いやすい性質のマシンを作りたいと思っている」とアリソンは付け加えた。