10月に入り、2018年卒業予定者の就活も、落ち着きを見せている。ただ、人材会社のディスコが10月17日に発表した調査では、全国の主要企業の42.9%が採用選考をまだ続けているとの結果が出ている。
こうした中、クリエイター支援事業や地域支援事業を手掛けるサーチフィールドは、10月19日から「不採用採用」を始めた。2018年卒の学生のうち、他社で不採用になった経験を持つ学生が主な対象だが、不採用の経験が無くとも、内定を持っていても応募可能だという。
「社会そのものの不採用通知ではない」「先行きに不安を覚える学生を勇気づけたい」
「不採用採用」は、同社のクリエイター支援事業部「GIKUTAS(ギクタス)」での勤務を想定している。GIKUTASは、ソーシャルゲームメーカーとイラストレーターをつなげたり、イラストレーターの転職支援が主な事業だ。採用者はディレクターとして、クリエイターの発掘から、イラストのクオリティチェック、スケジュール管理から納品までの製作進行管理を行う。これまでのイラスト作成経験は問われない。
選考は3ステップで行う。1次面接が「不採用になった原因・振り返りのプレゼン」、2次面接が、自身の得意なことや好きなことを話す「一芸プレゼン」で、最終面接で受ける「ストレングスファインダーテスト」で応募者の強みを調査した後、合否が決定する。
また、各選考段階では質疑応答や業務説明も並行して行われるという。採用人数は2~3人を予定している。
同社経営企画部の担当者はキャリコネニュースの取材に対し、この採用方法を実施する意図を「不採用をどう受け止めて行動するかのほうが、今後の社会人生活の中では大事になってくるから」と語る。
「不採用は、学生が社会に出る前の最初の壁です。失敗を振り返り、改善方法を考え、真剣に将来を考えた方こそ強い人材になると思います」
就活での「お祈り」は、「社会そのものの不採用通知ではない」「先行きに不安を覚える学生を勇気づけたい」との思いもあるそうだ。
また、既に内定を出している企業がほとんどの中、これから採用を本格化させる同社が応募者を集められるよう、採用戦略の1つとしての意味もあると話していた。同社はリリース中で
「今回の不採用採用のプロセスを通じて『自身の成長』を考えるきっかけを応募学生に提供することで、当社の経営理念である『クリエイターの活躍の場をみつける』ということを自分なりに実現してほしいと考えております」
と述べている。