今週末、オーストラリアのフィリップアイランドサーキットでMotoGP第16戦オーストラリアGPが開催される。
フィリップアイランドはメルボルンの南東約200㎞に位置するフィリップ島にあり、目の前には海が広がるサーキット。1周4.448kmのコースは、約900mのメインストレートと右コーナー5、左コーナー7の中高速レイアウトのテクニカルコースで、MotoGPクラスでは1周のアベレージスピードが約180㎞/hとグランプリ開催コース中、最速のコース。
2015年にはアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が348.0km/hのトップスピードを記録している。前戦のもてぎのストップ&ゴータイプとは対照的な高速サーキットのため、ブレーキへの負担は18戦中最も少ないが、コーナリングスピードが高く、タイヤへの負担は大きい。
また、フィリップアイランドは、雲の動きと天候の変化が早いことでも知られており、海に面していることから、風が強いことが多く、ライダーにとっては厳しいコンディションのコースでもある。オーストラリアは南半球に位置するため、現在の季節は春。
例年、この時期のレースは気温が低く、雨が降ることも多い。また、海に面していることもあり、コース上に飛来した海鳥が走行中のライダーに衝突した例もある。
昨年のMotoGPクラスでは、カル・クロッチロー(ホンダ)が優勝、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、3位にマーベリック・ビニャーレス(スズキ)が入賞。
Moto2クラスではトーマス・ルティ(カレックス)が優勝、2位にフランコ・モルビデリ(カレックス)、3位にサンドロ・コルテセ(カレックス)が入賞。
Moto3クラスでは6周目に多重クラッシュで赤旗中断となり、レースは10周で仕切り直しとなり、ブラッド・ビンダー(KTM)が優勝、2位にアンドレア・ロカテッリ(KTM)、3位にアロン・カネト(ホンダ)が入賞した。
前戦日本GPでは、MotoGPクラスのランキングトップを争うマルク・マルケス(ホンダ)とアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が接戦のトップ争いを展開。
ヘビーウエットの難しいコンディションの下、他のライダーたちがヘビーウエットの路面に苦しむなか、ふたりはリスクを恐れず、お互い一歩も引かない戦いを見せ、僅差でドビジオーゾが勝利、2位にマルケスが続いた。
この結果、マルケスがポイントリーダー(244ポイント)の座をキープしたものの、ランキング2位(233ポイント)のドビジオーゾとのポイント差は11ポイントに縮まった。
ランキング3位(203ポイント)のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)はもてぎで9位に終わり、ドビジオーゾから30ポイント差とチャンピオンシップは苦しい展開に。ウエットコンディションでのセットアップに苦しんでいることを露呈する結果となった。
第14戦アラゴンGPでランキング4位(170ポイント)に浮上したダニ・ペドロサ(ホンダ)は、ヘビーウエットの路面に苦しみ、最終的にピットに戻ってリタイアを決断。
ランキング5位(168ポイント)のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)も、もてぎでは転倒リタイアに終わり、共にチャンピオンシップのポジションは変わらないものの、ポイント的には厳しい状況となった。ロッシは日本GP終了時点でトップのマルケスに対して76ポイントとなり、残り3戦全戦で優勝してもタイトルの可能性はなくなった。
日本GPでMotoGPクラスでは2度目のポールポジションを獲得したヨハン・ザルコ(ヤマハ)は、インディペンデントチームトップ、ルーキートップのランキング6位(125ポイント)をキープ。
ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)はランキング7位(116ポイント)をキープしているが、もてぎの決勝中、ザルコとロレンソが接触、ロレンソが後退する一因となってしまった。これに対してロレンソは「ザルコが危険なライディングを行なった」と抗議。レースディレクションによるペナルティ等はなかったが、ふたりの間に遺恨を残す結果となった。
日本GPの決勝序盤でトップを走り、最終的に3位表彰台を獲得したランキング8位(111ポイント)にダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が続き、日本GPの決勝中に2度転倒を喫し、リタイアに終わったカル・クロッチロー(ホンダ)はランキング9位(92ポイント)。
体調不良により日本GPを欠場、母国のドイツに緊急帰国したジョナス・フォルガー(ヤマハ)だが、今レースも欠場。代役としてオーストラリア人ライダーのブロック・パークス(ヤマハ)が起用されることになった。