ホッケンハイムでデモランした5台の『クラス1』車両。もてぎでは6車の走行が実現するか……!? 10月13~15日に開催されたDTMドイツツーリングカー選手権最終戦ホッケンハイムで、日本のスーパーGT500クラスのニッサンGT-RニスモGT500とレクサスLC500が走行を行い、長年交渉が続いてきた『クラス1』規定のコラボレーションを目で見える形で印象づけたが、同様の試みが、11月11~12日に行われるスーパーGT第8戦ツインリンクもてぎでも行われる予定だ。
今回、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションと、DTMを運営するITR e V.の双方のコラボレーションの一環として実現したドイツでのGT500車両のデモラン。3日間を通じて、ニッサン/ニスモやレクサスのスタッフがDTM参戦チームのスタッフと交流したり、ドイツのファンがスーパーGT車両を興味深そうに観るなど、『クラス1』規定の完全統合へ向け、印象的なものとなった。
このコラボレーションは、スーパーGT最終戦もてぎでも行われる予定だ。15日に行われたGTA坂東正明代表とITRゲルハルト・ベルガー代表の共同記者会見では、「この大会にDTM車両をお迎えする準備を今からしており、待ち遠しく思っています。お迎えするために努力して待っています」と坂東代表が言えば、ベルガー代表も「もてぎでふたたび全車が揃い、その姿を披露することは、ヨーロッパにも日本にとっても、特にアジアにとっても大きなことだろう」と語っている。またベルガー代表自身ももてぎを訪れることになりそう。
では、もてぎではいったいどんなコラボレーションイベントが行われるのだろうか。坂東代表によれば、今回ホッケンハイムで行われたイベントと「6車で同様のことをもてぎでやりたい」としている。希望としては現行車両で、アウディ、BMW、メルセデスの3車とも日本に持ち込まれることが期待されている。当然、DTM車両がツインリンクもてぎを走行するであろうし、ホンダNSX-GTを交えたデモランを観られる可能性が高い。
ホッケンハイムでは金曜にGT500の2台による30分間のフリープラクティスが行われ、土日にはそれぞれレース前にGT500とDTM車両(ホッケンハイムではレース直前ということもあり、同乗走行用の“タクシーライド”車両が使われた)の走行が行われたが、もてぎでも同等か、それよりも走行時間を増やしたい考えもあるようだ。
ちなみに、今回のDTMホッケンハイムでは、DTMのフリープラクティス中にGT500車両を一緒に走らせる案もDTM側からはあったというが、これは「何かあったら困るから」と実現には至らず。チャンピオン争いがかかっている最終戦でのこの配慮は当然で、もてぎでも同様にこれは実現しないだろう。
ただ、現段階では分かっていないことも多い。できれば今季DTMを戦った車両をもてぎに持ち込みたいと言われているが、どのDTM車両なのか、そして大事な最終戦を控え、どのGT500マシンが一緒に走行するのかはまだ不明。
ドライバーで言えば、ホッケンハイムで四度のGT500王者ロニー・クインタレッリや16年王者のヘイキ・コバライネンが走っただけに、アウディなら17年王者のレネ・ラストや13年王者のマイク・ロッケンフェラー、BMWなら16年/14年王者のマルコ・ウィットマン、12年王者のブルーノ・シュペングラー等のチャンピオン経験者の来日を期待したいところではあるが、これはドイツ3社の活動の都合もあるだろう。マカオGPが翌週にあることから、FIA GTワールドカップに出場するドライバーになる可能性もある。
また、ホッケンハイムではGT500車両はDTM車両と並んでピットが確保されたが、スーパーGTでは当然GT300クラスも存在するため、もてぎの場合ピットはスーパーGTがすべて使用する。DTM車両がどこに置かれるのか、また、決勝日は比較的余裕もありそうだが、タイムスケジュールもどうなるのか気になるところだ。
いずれにしろDTM車両がもてぎに登場し、走行するのはほぼ確実。タイトル争いで注目の一戦ではあるが、それ以外にも大いに楽しみが増えたのは間違いない。