IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの第3戦として10月14~15日にカリフォルニア州のマツダ・レースウェイ・ラグナセカで開催されたカリフォルニア8時間は、北米のPWCピレリ・ワールドチャレンジのレギュラー勢が大挙参戦するなか、44号車のアウディスポーツ・チーム・マグナスのピエール・カッファー/マルクス・ウィンケルホック/ケルビン・バン-デル・リンデ組アウディR8 LMSが残り20分の逆転劇で勝利を飾った。
第2戦のスパ24時間に続き、IGTCの第3戦として開催された『グランプリ・オブ・モンテレー/カリフォルニア8時間』は、予選からアウディ勢が速さをみせ、29号車アウディスポーツ・チーム・ランドのクリストファー・ミース/クリストファー・ハース/コナー・デ・フィリピ組がポールポジションを獲得。
快晴のもとで迎えた8時間の決勝でも29号車がスタートから快調なリードを維持し、ハーフディスタンスとなる4時間経過時点で、2番手以下に30分以上のリードを築く盤石のレース運びを見せる。
しかしレース時間が5時間を超えたところで、立て続けにセーフティカーが導入されると流れは変わり始め、29号車のリードはみるみる消失。44号車と、11号車ベルジャン・アウディ・クラブチームWRT(スチュアート・レオナルド/ジェイク・デニス/ロビン・フラインス組)の2台が背後に迫り、アウディR8 LMSの三つどもえによるバトルへと発展していく。
迎えた最終ピットストップでは、11号車と首位の29号車がピットストップ停止時間違反でペナルティを取られ、ドライブスルーを消化する事態に。しかしそれでも、この2台はなんとか44号車の前にとどまることに成功すると、ペナルティ消化直後の2台がトラック上での直接バトルを展開。
ベルギーのカスタマーチームからエントリーするロビン・フラインスの11号車は、ドライブスルーを終えコースに復帰すると、目の前に現れた29号車、アウディスポーツ・チーム・ランドのクリストファー・ミースに襲いかかり、バックマーカーの処理に手間取る隙をついてオーバーテイクにトライ。
しかし結果的にこのアタックで両者は接触し、ターン10のグラベルに沈む波乱となり、フラインスはスタック。ミースはコース復帰を果たしたものの、SCの影響で44号車とのマージンがほぼ消失する事態となってしまう。
そしてSC明けのリスタートで、その44号車アウディスポーツ・チーム・マグナスのバン-デル・リンデは、わずかにダメージを負った29号車を捉えると、ターン5でアウトサイドから豪快にオーバーテイク。フィニッシュまで残り20分の時点で首位浮上に成功した。
結局、アウディR8 LMSの2台はそのままのポジションで2秒488のギャップを維持したままチェッカー。ピエール・カッファー/マルクス・ウィンケルホック/ケルビン・バン-デル・リンデ組が勝利を飾り、ウィンケルホックはジュール・グーノン、クリストファー・ハースと組んでエントリーした前戦のスパ24時間に続く2連勝となり、IGTCのドライバーズ・スタンディングでも首位に浮上している。
また3位には、PWCの強豪チームであるK-PAXレーシングのマクラーレン650S GT3、アルバロ・パレンテ/ブライアン・セラーズ/ベン・バーニコート組が同一周回となる最後の表彰台を決めている。
そしてPWCレギュラーの2台を送り込んだアキュラ・ワークス、リアルタイム・レーシングのNSX GT3は、93号車のピーター・コックス/マーク・ウィルキンス/ジュール・グーノン組がクーリングトラブルによるオーバーヒートでマシンを止めるなか、ライアン・エバースレー/トム・ダイアー/デイン・キャメロン組の43号車が1ラップダウンながら4位に入り、アキュラNSX GT3の2017年パイロット・プログラム最終戦を上位で締めくくった。
IGTC最終戦となる第4戦は、12月9~10日にマレーシアに上陸し『モチュール・セパン12時間』として開催される。