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スーパーGT:関口雄飛 2017年第7戦タイ レースポレート

2017年10月18日 17:42  AUTOSPORT web

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関口雄飛(WedsSport ADVAN LC500)
2017年スーパーGT第7戦「BRIRUM SUPERGT RACE」で、LEXUS TEAM WedsSport BANDOHは2年連続優勝を狙うも、雨に翻弄され苦戦。それでも関口雄飛と国本雄資は12位完走を果たす

 トヨタ、ニッサン、ホンダの各メーカーがニューマシンを投入し、新時代を迎えた2017年のスーパーGT第7戦が、タイ王国ブリラム県、チャン・インターナショナル・サーキットにて10月7~8日に開催されました。
 
 スーパーGT唯一の海外戦ではありますが、昨年のこのレースではポールポジションから優勝を飾っているLEXUS TAEAM WedsSport BANDOHは、自信を持ってタイの地に向かいました。
 
 この時期はタイの雨季にあたり、1日1回は大雨が降るという状況のなか、土曜日のフリー走行は直前まで土砂降りとなり、走行開始を10分ほど遅らせる状況となりました。
 
 セッション開始時には雨もあがり、勢いよく路面が乾き始めましたが、まずはウエット路面で国本雄資選手がセットアップを確認しながら周回を重ねます。
 
 ドライ路面となって、さらにセットアップを煮詰め、GT500クラスの占有走行では関口雄飛がステアリングを握り、タイムアタック突入。あっさりとトップタイムをマークし、ピットに戻ります。最終的には2番手となりましたが、マシンのバランスに問題はなく、予選への自信を深めました。
 
 しかし、ふたたび天候が崩れ、午後の予選開始時には完全なウエット路面。15時20分からの予選Q1は、国本雄資選手がステアリングを握ってコースイン。一時は3番手につけたのですが、残念ながらタイムが伸び悩み、最終的には15番手で予選Q2への進出はなりませんでした。
 
 日曜日、決勝前に実施されたフリー走行はドライ路面で行なわれ、関口雄飛がトップタイムをマークして好調ぶりをアピールしました。予選15番手からの追い上げを狙い、チームは様々な戦略シミュレーションを繰り返し、決勝レースに臨みました。

 しかし、スターティンググリッドに並び、スタートを待つ間にまたしても悪夢のようなスコールで、路面は完全にウエット状態。スターティングドライバーの国本雄資選手は、ほとんどのマシンがレインタイヤに交換するなか、あえてドライタイヤをチョイス。3台のマシンがドライタイヤでスタートに臨むこととなりました。

 決勝レースはセーフティカースタートとなり、3周目にセーフティカーが外れて、実質的なレースがスタートしたのですが、いまだ路面は乾かず、ドライ用タイヤを履いた国本雄資選手は我慢のレースを強いられることになりました。
 
 6周目に周回遅れにされ、悔しさを我慢しながら走る国本雄資選手でしたが、路面が乾き始めてからは、一気にうっぷんを晴らすかのごとくペースアップ。12周目にはウエットタイヤ勢より1周10秒近く速いペースで周回を重ね始め、29周目にピットインして関口雄飛に交代。上位陣を上回るハイペースで周回を重ね、ポジションを上げます。
 
 序盤にウエットタイヤを装着した上位陣は、14周目あたりからドライタイヤに交換したため、ひとりのドライバーの規定周回数に満たず、2ピットが強いられます。その隙を突いてファステストラップを連発しながら追い上げる関口雄飛。しかし途中、タイトル争いをする日産勢に厳しくブロックされ、自分のペースで走れない状況が続きましたが、それらをパスして、さらに上位を目指しました。
 
 最終的にポイントには届かず、12位完走でチェッカーを受けました。レース後、坂東正敬監督は、「予選から自分たちに流れが向いてなかったですね。あのグリッド順位で、あのタイミングでスタート前に雨が降り出したのも、運が悪かったです。
 
 スリックタイヤで行かせたのは、もちろん勝算あってのことでしたが、あと15分早く乾いてくれたらと、残念でなりません。国本選手は辛いポジションで頑張って耐えてくれたし、関口選手も素晴らしい頑張りを見せてくれました。フリー走行のタイムを見ても、終盤の関口選手のペースを見ても、決して我々はここで遅くはなかったと思います。運がなかった、としか言えないですね」と残念そうに語りました。
 
■関口雄飛のコメント
「スタート前のフリー走行で、マシンにもタイヤにもまったく問題がないことがわかっていたので、決勝には自信を持っていたのですが、まさかスタート直前に雨が降ってくるとは思ってもいませんでした」

「でも雨はすぐに止んだので、路面は必ず乾くと信じ、スリックタイヤでスタートしました。国本選手が頑張ってくれたのですが、あのウエットタイヤを装着したGT300の集団に飲み込まれてしまったら、どうしようもありません。乾き始めてペースが上がり、我々の本来のスピードが戻ってきたので、あとは全力でプッシュでした」

「途中、ニスモのマシンに前を阻まれ、厳しいブロックをこじ開けるのにちょっとタイムロスした以外は、攻め切れたレースだったと思います。ポイント獲得がならなかったのは残念ですが、最終戦に向けてマシンの速さは充分に感じていますし、最後は絶対に勝って終わりたいと思っています。応援ありがとうございました」