福岡県筑紫野署は今月16日、太宰府市の山中にAKB48のCD585枚を不法投棄したとして、同市在住の30代の男性会社員を廃棄物処理法違反容疑で書類送検した。朝日新聞などが報じている。男は「CDのおまけとして同梱されたアイドル総選挙の投票券を使った後、処分に困って捨てた」と話しているという。
CD付属の投票券での投票は、一人何口でもOKとするAKB48のやり方は、以前から疑問視されてきたことではある。CDの扱いに困るファンも少なからずいたという話は、僕も耳にしてきた。中古品として売れるだけ売ってみたり、知人に配りまくったり、それでもどうしようもなく、自宅に山積みのまま放置している人もいるそうだ。（文：松本ミゾレ）
CDを、ファンすら持て余す"ゴミ"扱いさせているのは誰だ
だけど、どうにもできないからと言って捨てるかね……。こんな奴がいると世間に報じられれば、「ほら、やっぱりあんな商売についていくファンも常識がないんだ」と、外野から嘲笑されるって想像しなかったのだろうか。
僕はAKB48のファンではないし、メンバーの名前もほとんど知らない。だからこの手の報道を目にしても「ああ、やっぱり投票券商法はろくでもないな」としか思えない。大体、アイドル総選挙をする意味が分からない。人気なんていちいち投票しなくたって大まかには理解できる。それを、CDの売り上げのために投票券とセットにし、「推し」の順位を上げてこそファンの鑑とでも言わんばかりに、多数購入させようとする魂胆が卑しい。
まんまと乗せられるファンもファンだ。こういう形で好きなアイドルの名前がニュースを賑わし、ファンは冷たい目で見られるなんて、いったい誰を幸せにしているというんだ。現にSNSでは「そもそもAKBの商法に乗せられてる時点で……」「投票券セットにしないと売れないんだもんね」など、この男のせいでAKBとファン両方が叩かれている。
というか、「売れないし誰にも引き取ってもらえないなんて、手元に2枚以上同じCD抱える前に分かれよ」という気持ちである。山中に捨てるという選択肢もおかしい。行政の指示に従ってゴミとして回収してもらえばいいのにそれすら怠るとか、どういうことなのか。
運営側もこうならないために、工夫すれば良かったのだ。投票券はCD並みの値段で別途販売するとかしたらよかったのに、CDの売上げにこだわっているから、そんな解決法すら採らない。CDを、ファンすら持て余す"ゴミ"扱いさせているのは、誰だ。
