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【津川哲夫の私的F1メカ】日本GP鈴鹿で発見、メルセデスの細かすぎる”隠れ技”エアロ

2017年10月18日 11:51  AUTOSPORT web

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メルセデスW08のサイドポッドをフロア下から撮影した写真。細かで複雑な空力処理が今季の躍進を支えている。
今シーズンからの新レギュレーションで、フロアのデザイン、そして役割に革命が起きていることは以前のコラムでも触れてきた。フロアフロントやフロアエッジに、これまでにない特殊な加工が施され、時には「こりゃ何だ!?」的デバイスが発見され、そして、ところ狭しに独自工夫が張り巡らされているのが今シーズンのフロアのトレンドだ。

 フロアの独自デバイスは一見、ガンダムやスターウォーズに登場するようなデザインを彷彿とさせる。もちろん、外からしか見ることができない我らメディアは想像力を働かせて、あてずっぽう的な解釈はつけられる。しかしそこはF1、見えない部分にこそ秘密があり、そしてかつ­「なーるほど!!」と膝を打つようなデバイスが隠されている。

 企業秘密とも言えるチーム独自のデバイスはもちろん、簡単なに表から見ることはできないのだが、そこは長年F1「ピーピング・テツ(覗き屋テツ!)」を自称する筆者、今回の鈴鹿日本GPでも、いいものを覗かせて貰った。

 メルセデスW08のフロアフロントにはガンダムウイングが乱立し、千手観音を思わせるエアロ処理が施されているが、今回のポイントはフロント部分ではない。ステップボトム、サイドポッド下の先端のエリアだ。写真はマシンに正対して左側のサイドポッド先端をやや斜め下から撮影したもの。

 リーディングエッジには内側から大中小と3枚のスプリッターが装着されているのがわかる。その形状は後方外側へ捩じれ込むよう細かく処理され、最終的にはホリゾンタル(水平)にまで捩じられてフロア面に融合されている。もちろん、空力的効果がそのおもな役割ではあるが、メルセデスのエアロコンセプト、そしてフロアエアロの粋を極めた処理と言える。