ホンダF1プロジェクト総責任者である長谷川祐介氏が、ホンダはマクラーレンとの約3年間、パワーユニットを向上させるよう、フェルナンド・アロンソから常にプレッシャーをかけられてきたと明かすとともに、ホンダ批判を繰り返したアロンソへの理解も示した。
2015年、マクラーレン・ホンダの伝説のパートナーシップがF1に復活したものの、思うような結果を出せないまま、2017年末で提携が解消されることが決まった。
マクラーレン・ホンダのプロジェクトに期待を抱いて加入したアロンソは、相次ぐトラブルと期待どおりに向上しないパフォーマンスに苛立ちを募らせ、しばしば感情を爆発させて、ホンダを批判する発言も行った。
長谷川総責任者は、ホンダのなかにはそういうアロンソの態度に不満を持つ人々もいるが、自分としてはアロンソの気持ちが理解できると語った。
「アロンソは常に私にプレッシャーをかけてきました」と長谷川氏はスペインのEl Confidencial紙のインタビューにおいて語った。
「マシンがよくないときには、ためらうことなく私に対して不満を述べました。彼もそんなことをしたくてしていたわけではないと思います。彼はいい人なのです。だから私を叱責しなければならないことをきまり悪いと思っていたと思います」
「でも彼としてはそうしなければなりませんでした。すべての要素を正しい状態に整えたかったからです。だからこそ私はとても恥ずかしいと思います」
「アロンソのホンダ批判は過剰でありその行動は政治的すぎると言う人々もいるようだが長谷川氏もそう考えているのか」という問いに対し、「そんなことは全くありません」と彼は答えた。
「アロンソは自分が満足できなかったから批判したのです。そして彼にはそうする権利があります」
「もちろん、ホンダにはアロンソの態度を不満に思っている人たちもいます。ですが私はそうではありません」
「私は、いいエンジンを提供できなかったことにとてもがっかりしています。私個人としては非常に残念です。ですがF1ではすべての人が満足する状態にはなかなかなりません」
「彼は決して満足できませんでした。そうなると働く上で良好な関係を築くのは非常に難しいです」
「アロンソは自分の仕事をしっかりやっていました。プロとして優れた仕事ぶりです。結局はドライバーは皆、非常に感情的なものです。彼らがそういう振る舞いをしても理解しなければなりません」
2018年、マクラーレンはルノーと、ホンダはトロロッソと組み、新たな体制で向上を目指す。マクラーレンはアロンソを残留させるため交渉を続けているが、現時点では合意に達したという発表はなされていない。