「ほぼ日の学校」が2018年1月から開校する。
「いま、古典の素養が足りないような気がする」と語る糸井重里の発案から構想が始まったという「ほぼ日の学校」。校長は、『婦人公論』『中央公論』『考える人』などの編集長を務め、今年4月に株式会社ほぼ日に入社した河野通和が担当する。
講師には、1つのテーマに情熱を注いできた様々な人を起用。第1弾として「シェイクスピア」をテーマに取り上げるほか、「万葉集」「ダーウィン」などのテーマに取り組む予定だという。さらに短期集中講座やイベント、校外学習なども企画される。
1月から開講する『シェイクスピア講座2018』は講師1人、生徒99人による全14回のコース。講師陣には岡ノ谷一夫、河合祥一郎、木村龍之介、串田和美、橋本治、古川日出男、松岡和子、向井万起男、村口和孝、山口宏子が名を連ねる。生徒の第1次募集は本日10月17日からスタートしている。
また「ほぼ日の学校」の開校を記念して、12月22日に東京・青山一丁目の草月ホールでイベント『ごくごくのむ古典』が開催。作家の橋本治による講演『古典ひろいぐい』や、糸井重里、河野通和が聞き手を務めるトークセッション『シェイクスピアをベンチャーする』が行なわれる。チケットは11月7日に発売。
■河野通和のコメント
ほぼ日の学校は、古典を学ぶ場です。古典と聞いただけで、自分とは縁遠い、と感じる人も多いでしょう。
古典は過去の遺物だと思って、タカをくくったり、敬遠してきた皆さん!読みかじり、聞きかじりで何となくやり過ごしてきた人たち!私はどうも、最近になって、その「欠落」が気になります。何とか学び直せないものだろうか、と思います。そこで、何かいい補助線を見つけることで、古典というものを、いまの自分たちの好奇心に照らして、おもしろく読み解く試みを始めたいと考えました。情熱にあふれる講師陣の助けを借りて、さまざまな工夫を凝らしながら、古典の真髄に迫りたいと思います。最後に――。「ほぼ日の学校」は場と機会を提供しますが、ここで不可欠なのは、受講者自身の参加する意欲です。古典の魂を全身で受けとめ、そこから生きる力と勇気を得ていただければと願います。
■糸井重里のコメント
自分の中に、地固めするみたいに「古典の土を入れたい」という気持ちがずっとありました。ぼくだけでなく、いまの日本の社会を見渡しても、「なくても生きられるけど何かがちょっと足りない」という隙間や空洞があちこちにあって、世の中が飢えているというか、乾いているのを感じます。機能とか損得とか数字とか、目に見えることばかりじゃなく、もっと内臓に染み渡るようなものが欲しい。昔の人が残したさまざまな古典を、あらためて学べる「学校」があれば、自分が誰よりそこで学びたい。だから、ぼくも生徒の席に座っていようと思います。古典はいわば地球上にたくさん存在している資源のようなもの。その巨大な埋蔵量を持つ知の資源を、たのしく、自由につかえるようにするのが「ほぼ日の学校」です。