デザイナーのユリアが手掛ける「グローイングペインズ(GROWING PAINS)」が10月16日、2018年春夏コレクションを小笠原伯爵邸で発表した。テーマは、大正時代の日本で自分らしさを追求しブレずに生きたパンク的精神を持つ「モダンガール(=モガ)」。
コレクションの着想源にもなった大正時代と現代についてデザイナーのユリアは「平和だけど、色々なものや情報が入ってくるなか『日本人ってこうだよね』と抗う点が共通するものがある」と捉える。文学や演劇といった芸術が民衆に広まった一方で、社会情勢などについて以前より多くの情報が流れ始めたため、急激な変化への不安や葛藤、排他的な思想も蔓延していた大正時代を、今の世の中に重ねた。
グローイングペインズは今シーズン、封建的な文化が残る当時の日本で、着物を脱ぎスカートにハイヒール姿で街に繰り出し、自由な恋や思想を求めた"モガ"たちから着想。ランウェイには、着物のような合わせのライダースジャケットや学生服風デニムワンピース、袖のシルエットが着物のようなカーディガン、袴風パンツ、ひざ下丈のスカート、オリジナルの家紋付きシャツワンピースなど、ディテールから時代を感じさせた。着物の要素についてユリアは「母が着付けの講師をしていることもあり、いつか着物はやりたかった」と説明。ベルトを多用したスタイリングやコルセットのようなアイテムは、モガたちが抑制されていた時代と、それに抗い自分らしさを追求した彼女たちを表現したという。大正時代に流行した海老茶色をキーカラーに、パンクを象徴する色でもある蛍光グリーンを取り入れた。
新作コレクションではこのほか、英ブランド「HYDRA」とコラボレーションしたラテックスのコートや、アイウエアブランド「DOUBLE LOVERS」と協業したブランド初となるサングラスも発表した。
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【全ルック】「グローイングペインズ」2018年春夏コレクション