自身3度目のGRCチャンピオンとなったスコット・スピード GRCグローバル・ラリークロスの第12戦となるロサンゼルス・ラウンドが、10月14~15日に同市港湾部の特設トラックで開催され、フォルクスワーゲン・アンドレッティ・ラリークロス(VARC)のタナー・ファウスト(フォルクスワーゲン・ビートルRXスーパーカー)がファイナルを制し今季5勝目を挙げるも、2位に入ったスコット・スピードがチームメイトを下し、自身3度目のチャンピオン獲得を決めた。
前戦シアトルでの2連勝でタイトル争いに踏みとどまった形のファウストは、勢いそのままにLAでの金曜予選をトップ通過すると、3つの予選ヒート、セミファイナルで4連勝を挙げ、ファイナルのフロントロウ、イン側グリッドを確保。
その他のヒートは、パトリック・サンデル(スバルWRX STI RXスーパーカー)、スティーブ・アルピン(フォード・フィエスタRXスーパーカー)、オースティン・デイン(フォード・フィエスタRXスーパーカー)がそれぞれ制し、そこまでヒート首位のなかったスピードは、セミファイナルのヒート2でなんとかサンデルを下し、ファイナルに向けフロントロウを確保した。
逆転タイトルに向け望みを掛けてファイナルに挑んだファウストは、盤石のスタートを決めると、10周のドライビングを完璧にまとめノーミスでポール・トゥ・フィニッシュ。
予選ヒートからセミファイナル、そして最後のファイナルで一度もライバルに負けることなく、週末に獲得可能な満額となる81ポイントを手にし、選手権ライバルであるチームメイトの動向を見守ることに。
一方のスピードは、セミファイナルでも苦戦を強いられたサンデルのスバルWRXと、ブライアン・ハータ・ラリースポートのカボ・ビンガム(フォード・フィエスタRXスーパーカー)に先行を許す苦しい展開に。
しかし、タイトルへの重圧に対処すべく丁寧なドライビングを見せたスピードは、ジョーカーラップの攻防などを活用しポジションを挽回すると、先行2台から表彰台を奪い返し、2位でチェッカー。見事に新記録となるシーズン11度目の表彰台獲得というオマケ付きで、ファウストに対し19ポイント差を維持して3度目の戴冠となった。
「この週末は、どんな問題が起こっても僕らには十分なマージンがあるんだと。つねに考えていた。これを成し遂げたすべての人々に感謝したいし、僕らは本当にベストなチームだ。僕はただ幸運だっただけで、すべてはチームと素晴らしいパートナーたちの努力のおかげだ」とスピード。
前戦でマニュファクチャラーズ・タイトルを確定させていたフォルクスワーゲンは、これで2連覇を果たすと同時に、VARCとしてはGRC3連覇、シーズン9勝の新記録を達成している。