MotoGP第15戦日本GP、Moto2クラスの決勝レースで中盤までトップを走行する活躍を日本のファンの前で見せた中上貴晶(イデミツ・ホンダ・チームアジア)。最終的に6位フィニッシュとなったが、レース内容には手ごたえを感じているという。
中上は初日、予選日と、フロントタイヤのフィーリングがつかめていないとコメントしていた。しかし、決勝レースではリヤタイヤのグリップに苦戦したのだという。
「逃げられるほどラップタイムも速くないとわかっていたので、ポールポジションからとにかくいいスタートをきって抑えるしかないと思っていました。だから、とにかくラップタイムを気にせずに抜かれないことに重点を置いたんです」
「ブレーキングを頑張ってスピードを落とし、加速で(後ろを)離す作戦でした。抜かれたらなにもできないと思ったので。1周目からつつかれているのもわかっていたし、かなりプレッシャーはありました」
リヤタイヤのグリップの問題とともに、中上にとって大きな問題だったのはコンディションが得意ではないウエットだったことだ。ウエットのセッションが多かった2017年シーズン、雨になると「本当にはっきりと遅かった」と中上自身も認める。事実、雨のレースだったチェコGPでは決勝24位という結果に終わっていた。
しかし、日本GPでは中上は、11周にわたりトップを走行。最終的にアレックス・マルケス(エストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDS)らに抜かれて6位フィニッシュとなったが、これはウエットレースにおける中上のベストリザルトだ。
「ウエットのセッションではドライのときのような絶対の自信がなかったんです。(周囲にはポールポジションスタートだけど)中上は落ちてくると思われていたと思います。そんななかで11周にわたってトップを走ることができたのは、ライバルに対して違いを見せつけられたし自分にとっても自信になりました」
もちろん、今回の結果に満足はしていない。それでも最大限の力を出すことができた。
「ああすればよかったとか、そういう悔いはありません。結果に対しての悔いはありますけどね。ドライでもウエットでも自信が持てる自分になりたいです。確実に前進はしているけど、まだまだ改善していきたいと思っています」
日本GPを終えて、2017年のMotoGPも残り3戦。Moto2ライダーとしてラスト3戦について、中上はこう語った。
「気持ちとしては1戦1戦を考えていきたいです。6シーズン過ごしたMoto2でやってきたことを形にしたいですね。残り3戦、すべて勝ちたいです」
来年はMotoGPライダーとして日本GPにやってくる中上。この日の決勝レースで見せたウエットレースでの力強い走りが、中上をさらに強くするだろう。