10月15日に決勝が行われたWEC世界耐久選手権第7戦富士で2017年シーズン2回目のワン・ツーフィニッシュを、ホームグラウンドである富士スピードウェイで達成したTOYOTA GAZOO Racing。母国でのうれしい結果を受け、トヨタ自動車の豊田章男社長がコメントを発表した。
今シーズンも2台体制でWECに挑み、全面的に改良されたトヨタTS050ハイブリッドを用いてシリーズ戦ならびに世界三大レースのひとつであるル・マン24時間耐久レースの制覇に向けて活動しているTOYOTA GAZOO Racing。
シリーズ序盤の2戦で連勝を飾り、ル・マン初勝利も期待されるなか、初の3台体制で臨んだル・マンでは3台中2台がリタイア。残る1台もマシントラブルに見舞われた影響で総合8番手に終わった。ル・マン後のシリーズ戦では新型エアロキットを導入したポルシェの前に苦戦を強いられる苦しい展開となっていた。
そのような状況のなかで迎えた富士ラウンドは、トヨタにとって母国レースであり、ホームグラウンドでの戦いとなる。過去5年で4勝と相性の良いサーキットだが、今大会では予選でライバルにフロントロウを独占され、決勝でも序盤はリードを許した。それでもウエットコンディションでの好ペースと戦略面を駆使してライバルを先行。最後は天候不良による赤旗での終了となったが、富士では2014年以来となるワン・ツー・フィニッシュを飾ってみせた。
そんなレースの終了後、豊田章男社長から多くの声援に対する感謝とライバルのポルシェに向けたコメントが発表された。
豊田章男社長のコメントは以下のとおり。
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■2017年WEC第7戦富士6時間 豊田社長コメント
「熱い声援を送り続けてくださるファンの皆さま、そして、マシンを構成するパーツを供給いただいている皆さま、日本にいる多くの仲間に支えられ我々TOYOTA GAZOO Racingは世界耐久選手権を戦っています」
「その皆さまの前で、心を合わせ走ることのできる富士の戦いは我々にとって大変重要な戦いでした。皆さまの想いを乗せた戦いで勝利できたことを本当に嬉しく思います。支えていただいた皆さま、ありがとうございました」
「今回は、天候不良もあり、ドライバー達も『思いっきり走る』戦いにはならなかったかと思います。それは少し残念でしたが、トヨタのエンジニア、メカニック、そしてマシンを信じて、コンディションの悪い道を、無事に走らせきってくれたドライバー達にも感謝いたします。本当にありがとう」
「また、このレースは残り少ないポルシェとの戦いの場でもありました。残す戦いの場はふたつ、『トヨタは良きライバルだった…』、『またいつかトヨタと勝負がしたい…』、今まで、競い合い、自動車の未来のために共に切磋琢磨した仲間としてポルシェには、そう言っていただきながら、次のステージに向かってもらいたいと願っております」
「本日の雨のレースは、お互い、力を出し尽くすレースにはなりませんでしたが、残り2戦、シーズンが終わるまで、引き続き、全力でぶつかり合う戦いをさせていただければと思います」
「ポルシェの皆さま、最後まで、ファンの皆さまに笑顔になっていただける全力のレースをしましょう。よろしくお願いいたします。ファンの皆さまにも、引き続き、我々の戦いを応援いただければ心強く思います」