MotoGP第15戦日本GP、MotoGPクラスは、栃木県のツインリンクもてぎで決勝レースを行い、アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が優勝した。
MotoGPクラスの決勝レースは気温14度、路面温度15度のウエットコンディションの下、予定どおり24周で争われた。好スタートからホールショットを奪ったのは、3番手スタートのマルク・マルケス(ホンダ)。しかし、V字コーナーでホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)がマルケスをインからオーバーテイクし、トップに浮上する。
ロレンソを先頭にマルケス、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)、ポールスタートのヨハン・ザルコ(ヤマハ)が続き、ドビジオーゾも好ダッシュを決めオープニングラップで5番手につけている。
2周目、ペトルッチが3コーナーでマルケスを、6コーナーでロレンソを交わしてトップに浮上。ペトルッチはファステストラップをマークして後続とのアドバンテージを広げ、トップをキープ。2番手をマルケス、ドビジオーゾが争う。
6周目の時点で最大1秒半差を築いていたペトルッチだったが、中盤に入ると、マルケスとドビジオーゾがペトルッチの背後に迫り出した。13周目、ついに90度コーナーでマルケスがペトルッチをオーバーテイクしトップに浮上。ドビジオーゾも続く14周目の1コーナーで、ややラインを外したペトルッチのインをついて1、2コーナーで2番手に浮上する。
3番手となったペトルッチはマルケスとドビジオーゾについていくことができず、トップ争いはマルケスとドビジオーゾの一騎打ちとなった。トップのマルケス、2番手ドビジオーゾはテール・トゥ・ノーズで周回を重ねる接近戦。チャンピオンシップを争うふたりはもてぎのコース上で激しく火花を散らす。
19周目、5コーナーでドビジオーゾがトップを奪うが、21周目の3コーナーでマルケスがやや強引にインを突き、トップを奪取。ドビジオーゾも6コーナーで再び前に出るが、V字コーナーの進入でマルケスが再びトップに立つ。ふたりの意地がぶつかり合った白熱の勝負は、最終ラップにまで持ち越された。
最終ラップにトップで入ったのはマルケス。しかしS字コーナー立ち上がりでリヤが振られ、その間にドビジオーゾが接近する。マルケスの背後につけたドビジオーゾはバックストレートでマルケスのスリップから抜け出して前に出た。しかしマルケスはあきらめない。最終コーナーでドビジオーゾのインにマシンをねじ込んだ。
この戦いの勝者はマルケスかと思われた。しかしマルケスはラインに乗ることができなかった。逆にマルケスが仕掛けた勝負に冷静に対応したドビジオーゾが先に最終コーナーを立ちあがり、トップでチェッカー。2017年のチャンピオンシップを象徴するかのようなふたりの争いを制して、今シーズン5勝目をマークした。
マルケスは僅差の2位でゴール。チャンピオンシップを争うふたりが最終ラップの最終コーナーまで接戦を展開し、ポイント争いでも、トップのマルケスと2位のドビジオーゾの差は11ポイントに縮まった。トップ争いのふたりから約10秒遅れたものの、ペトルッチが3位に入賞。今シーズン4度目の表彰台を獲得した。
4番手はザルコが終盤までキープしていたが、アンドレア・イアンノーネ(スズキ)とアレックス・リンス(スズキ)に追いつかれ、20周目に相次いで交わされてしまう。イアンノーネとリンスはチームメイト同士でバトルを展開。最後はイアンノーネがリンスを突き放して今シーズンベストとなる4位に入賞、リンスがMotoGPベストとなる5位に入賞した。
序盤トップを走ったロレンソが一時9番手まで後退したが、終盤に追い上げて6位に入賞。7位にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)が続き、ザルコは8位でゴール。9位にマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、10位にロリス・バズ(ドゥカティ)の順で続いた。
ポル・エスパルガロ(KTM)が11位に入賞。ワイルドカード参戦の中須賀 克行(ヤマハ)は着実にポジションを挽回、12位入賞を果たした。13位に、サム・ロウズ(アプリリア)、14位にエクトル・バルベラ(ドゥカティ)、15位にティト・ラバット(ホンダ)の順で入賞した。
スコット・レディング(ドゥカティ)が16位、ブラドリー・スミス(KTM)が17位。代役参戦の青山博一(ホンダ)は18位でチェッカーを受けた。
アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)は22周目に最終コーナーで転倒リタイア。ダニ・ペドロサ(ホンダ)は序盤から10番手前後を走っていたが、4周を残してピットに戻りリタイア。カレル・アブラハム(ドゥカティ)は5周目の12コーナーで転倒、再スタートしたが、19周を終えてリタイア。
カル・クロッチロウ(ホンダ)は5周目に7コーナーで転倒、再スタートしたものの、16周目の90度コーナーで2度目の転倒を喫しリタイア。バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)は6周目のS字コーナーで転倒、リタイア。代役参戦の野左根航汰(ヤマハ)は土曜日のFP4で負ったケガを抱えたまま決勝に臨んだが、4周目の12コーナーで転倒、リタイアとなった。