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WEC富士:0.071秒差でポール逃したロッテラー「2度目のアタックでトラフィックに」

2017年10月14日 20:12  AUTOSPORT web

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僅差でポールポジションを逃した1号車ポルシェ919ハイブリッドのアンドレ・ロッテラー
10月14日に富士スピードウェイで予選が行われたWEC世界耐久選手権第7戦。2台のポルシェ919ハイブリッドで挑むポルシェ勢は2号車(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンドン・ハートレー)がポールポジションを獲得。1号車(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ)が2番手に続き、3戦連続でフロントロウを独占した。

 13日(金)のフリープラクティスに続き、この日も朝から雨が降り続いた富士スピードウェイ。10時30分からスタートしたフリープラクティス3回目は雨に加え、セッション途中には霧が立ち込めるコンディションとなった。

 ここではセッション開始から各チームともコースイン。2台のポルシェ919ハイブリッドも積極的に周回を重ね、2号車が26周を重ねて1分36秒264のセッション2番手。1号車がクラス最多の31周を走行し、1分36秒387のセッション3番手で走行を終えた。

 午後の予選は当初、15時からLMPクラスのセッションが行われる予定だったが、天候状況を理由にプロモーターが30分前倒しを決定。14時30分から20分間で争われた。

 前倒しされた予選セッションも弱いながら雨が降り続いたほか、中盤にはふたたび霧も立ち込め視界が遮られる難しい状況に。そんななか、バンバーとハートレーがアタッカーを務めた2号車は1分35秒160のアベレージタイムで暫定トップにつける。

 ロッテラーとタンディがアタックドライバーだった1号車は終盤、ロッテラーが周回を重ね2号車に迫るが、アベレージタイムでわずか0.071秒届かず。2号車ポルシェのポールポジションが確定した。

 2号車ポルシェには届かなかったものの、1号車ポルシェが2番手につけ、ポルシェは第5戦メキシコから3戦連続となるフロントロウ独占を達成している。

「明日も荒天の予報が出ており、2台のポルシェをフロントロウからスタートさせることが重要だった。これはアドバンテージになる」と語るのは、LMP1プロジェクトを率いるフリッツ・エンツィンガー。

「ポールポジションポイントを獲得して、両タイトル防衛に向けて前進することができた。そして我々の予想したとおり、トヨタは強敵だった。チーム全員の努力を祝福したい」

「919ハイブリッドと挑む耐久レースも残り3戦だ。明日のレースを心待ちにしている」

 ポールポジションを獲得したバンバーは「チームのフロントロウ独占に貢献し、そして僕にとって初めてのポールを獲得できてうれしいよ」と語った。

「1号車とは本当に接近した争いだった。お互いに全力を出し切った結果だし、チームとポルシェは素晴らしい努力をしてくれた」

 ハートレーも「予選のタイム差はわずかだったから、この結果には満足している」としつつも「決勝は天候が読めず、大雨になる可能性もあるんだ」と6時間の決勝へ気を引き締めた。

 惜しくもポールに届かなったロッテラーは「本当に滑りやすいコンディションだった。2度目のアタックでタイム更新に挑んだけど、トラフィックに引っかかってしまい、うまく結果を残せなかった」と悔しさをにじませるコメント。

 タンディも「ウエットコンディションの予選は本当に難しかった。全力でプッシュしながらも一切ミスをしてはいけないんだからね」と走行を振り返っている。

 WEC第7戦富士の決勝レースは10月15日、11時から6時間で争われる。