スクーデリア・トロロッソからアメリカGPでのF1デビューが決まったブレンドン・ハートレーが、WEC世界耐久選手権第7戦の現場で取材に応じ、F1挑戦への意気込みを語った。
今シーズン、カルロス・サインツJr.とダニール・クビアトを起用していたトロロッソだが、マレーシアGPでクビアトに代わり、ピエール・ガスリーを起用して以降、シートが流動的に。
アメリカGPに向けてはサインツJr.がアメリカGPからルノーF1入りすることに加え、クビアトとガスリーのコンビを起用すると“誤発表”されたことが、混沌とした状況を招いていた。
しかし13日、チームはクビアトとハートレーをアメリカGPで起用すると正式に発表。一連の騒動にいったん終止符が打たれた。
アメリカGPでF1デビューを果たすハートレーは、今年6月に行われた第84回ル・マン24時間で優勝してWECのランキング首位に浮上。今週はシリーズチャンピオン獲得に王手をかけた状況で、富士スピードウェイで行われているシリーズ第7戦に参戦しており、14日(土)の予選ではポールポジションを獲得している。
そのハートレーは「本当にクレイジーな週末だ。すべてがあっという間に決まったよ」とF1挑戦が決まった激動の日々を振り返る。
「F1デビューというチャンスを掴んで心の底から興奮しているけど、今はWECに集中する。週末を終えてから僕を待ち構える大きなチャレンジに目を向けていくつもりだよ」
「この1週間、本当に多くのことが起きた。ただ、(F1に)挑戦する準備は整っている。子どもの頃から夢見ていたことが現実になるんだ。WECを代表して挑むことにもなるし、チームやスポンサーから(F1で配るよう)ステッカーを大量に渡されたよ(笑)」
「今週から来週にかけて、かなり忙しい日々が続くけど、楽しみでもある。ただ、今はこれ以上のコメントはしたくない。チャンピオンシップ(WEC)に集中したいからね」
ハートレーと同じくニュージーランド出身で、WECでは同じ2号車ポルシェ919ハイブリッドをドライブしているアール・バンバーも「ハートレーとは一緒にゴーカートをしながら育った仲だし、特別な瞬間だと思う」とチームメイトを祝福した。
「(今年)ポルシェとともにWECのタイトルを獲得できる可能性がある上に、F1へチャレンジできるんだからね。僕にとって、彼はここ数年お手本となるドライバーだったから、F1へ挑戦するにふさわしい人間だと思う」
「また、ニュージーランドのモータースポーツ界にとっても大きな出来事だ。ニュージーランド出身のF1ドライバーは30年以上誕生していないからね(1984年のマイク・サックウェル以来)」
「それにWECにとっても素晴らしい出来事だ。F1界も一目置いているということだし、参戦しているドライバーやチームのレベルが高いことの表れだと思う。それだけにシリーズチャンピオンになってもスーパーライセンスが発給されない点は考えてほしいけどね。とにかく、F1を見る理由ができたよ!(笑)」