静岡県・富士スピードウェイで開催されているWEC世界耐久選手権は10月14日、3回目のフリープラクティスが行われ、TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/アンソニー・デビッドソン)が総合トップタイムを記録した。
13日に開幕したWEC富士。前日の走行初日は終日あいにくの天候に見舞われた富士スピードウェイだが、週末にかけて雨模様が続く予報どおり、2日目も朝から時折降る激しい雨と霧に覆われるコンディションとなった。
そんななかで迎えたフリープラクティス3回目は10時30分にセッションがスタート。このタイミングで雨が小康状態となったことから、各車は続々とコースに向かっていく。
路面に浮かぶ水量は多くないものの気温14度、路面温度16度というコンディションのせいか、セッションを通じてスピンやオーバーランを喫するマシンが続出。セッション開始から20分後の10時50分、アンドレ・ロッテラーがドライブする1号車ポルシェ919ハイブリッドがTGRコーナーでオーバーランすると、その6分後には同じ場所で7号車トヨタTS050ハイブリッドのホセ-マリア・ロペスもオーバーシュートしている。
30分経過後のトップはセバスチャン・ブエミ駆る8号車トヨタTS050ハイブリッドが記録した1分35秒414。これに2号車、1号車と2台のポルシェが続いていく。
セッション後半、特に終盤にかけてはホームストレートの1コーナー寄りの視界が霧で覆わた影響からか1コーナーで飛び出すマシンが相次いだ。
また、1コーナーの先でも11時14分にデンプシー-プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSRがスピンを喫したほか、5分後の11時19分には1号車ポルシェのニック・タンディが2コーナーに差し掛かるところで姿勢を乱し、ハーフスピン状態に陥った。
このほかにもブレンドン・ハートレー駆る2号車ポルシェ919ハイブリッドや、エマニュエル・コラールがドライブするTDSレーシングの28号車オレカ07・ギブソンが1コーナーをオーバランするなど、各所でスピン、コースアウトが続いたが、いずれもすぐにコース復帰したことで一時的なイエローフラッグの提示に留まっている。
最終的にセッショントップとなったのは序盤にベストタイムをマークした8号車トヨタ。2番手以下のオーダーも2号車ポルシェ、1号車ポルシェと変わらず。前日、2回目のフリープラクティスでトップタイムをマークした7号車トヨタは4番手となった。
LMP2クラスはチャッキー・チェン・DCレーシングの37号車オレカ07・ギブソン(デビッド・チェン/アレックス・ブランドル/トリスタン・ブランドル)が計測最終ラップで1分43秒745をマークしてクラストップに。
LM-GTEプロクラスはポルシェGTチームのポルシェ911 RSRのワン・ツーとなり、クラス唯一となる1分47秒台のタイムをマークした91号車ポルシェ(フレデリック・マコウィッキ/リチャード・リエツ)が僚友92号車ポルシェを退けトップにつけた。
5台で争われるLM-GTEアマクラスでは、セッション途中にスピンを喫した77号車ポルシェが、2番手のクリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ488 GTEを0.691秒上回る1分49秒387を記録してクラス首位となっている。
走行2日目はこのあと14時から公式予選が行われるが、当初予定されていた14時30分から30分繰り上げての実施となる。