アメリカのユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の脱退表明を受けて、ニューヨーク・メトロポリタン美術館が声明を発表した。
メトロポリタン美術館のCEOダニエル・H・ウェイスは、半世紀以上にわたって同館や他の多くの博物館と連携してきたユネスコについて「キュレーターやコンサバター、様々な分野の研究者たちをまとめ、人類が共有する文化遺産の知的・美術的な伝統について教育・保護・サポートしてきた」と評したうえで、「トランプ大統領の決断は、こうした取り組みにおけるリーダーとしてのアメリカの役割を損ない、文化財保護の提唱者として我々の立場を危うくする」と非難した。
そして「メトロポリタン美術館はこれからもユネスコやこの重要な目的を共有する世界中の仲間たちとの連携に深くコミットしていく」と声明を結んでいる。
アメリカは現地時間の10月12日に、2018年12月31日をもってユネスコから脱退すると発表。理由として抜本的な組織の改革が必要であることや、反イスラエル的な姿勢であることなどを挙げている。また脱退後は非会員のオブザーバーとしてユネスコと関わっていくとしている。
なおアメリカは1984年にも政治的な偏向があるなどとしてユネスコを脱退しており、その後2003年に再加盟している。また2011年にパレスチナの正式加盟に抗議して、分担金の拠出を停止した。