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WEC富士:金曜記者会見に地元小学生が飛び入り参加。小林可夢偉らに素朴な疑問を直撃

2017年10月13日 20:42  AUTOSPORT web

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地元の小学生たちと一緒に記念撮影を行なった。
10月13日(金)に開幕したWEC世界耐久選手権第7戦富士。午前中のフリープラクティス1回目後に、小林可夢偉や中嶋一貴、アンドレ・ロッテラーらが出席してのプレスカンファレンスが行われた。この場には地元小学校の生徒たちも参加し、メディアに混じりドライバーたちに質問を投げかけた。

 富士スピードウェイに近い裾野市の裾野市立富岡第二小学校の生徒たちは、カンファレンスに出席した可夢偉と一貴、LM-GTEアマクラスを戦う澤圭太に、レーシングドライバーを目指した理由や、サーキットの外やオフの時間に行っていること、レーシングドライバーになるために必要なことなどを直撃した。

 オフのすごし方について、一貴は「クルマ(レーシングカー)に乗っていないときはトレーニングをすることが、ドライバーとしての仕事だと思う」と丁寧に回答した上で「気分転換も含めて、最近はゴルフをすることが多いですね。いや、トレーニングの一環かな(笑)」とユーモアを交える場面も。

 レーシングドライバーを目指した理由を聞かれた可夢偉は、質問した児童に「何になりたいのか」と逆質問するなど“可夢偉節”を炸裂させたほか、澤は「レーシングドライバーになるなら、15歳になったらトヨタのレーシングスクールに入りましょう(笑)」とコメントして、会場に集まった児童や関係者たちを和ませた。

■中嶋一貴「日曜日は2013年のような天気にならないことを祈る」

 レースに向けては、2016年のWEC富士でトヨタに地元勝利をもたらした可夢偉は「これまでのところ、苦戦を強いられているシーズンになっています」と2017年シーズンを振り返る。

「いい流れで走れている時もありますけど、好成績を残すことはできていません」

「ただ、去年はこのWEC富士で優勝していますから、チャンスはあると思っています。ミスをせずに、正しいタイミングで正しいタイヤを選択できれば、チャンスはあると思います」

 悪天候でセーフティカー先導のまま終了した2013年大会を制している一貴は、ウエットコンディションの富士スピードウェイを走るコツを問われ、「富士は“シンプルな”サーキットですし、シリーズに参加しているドライバーの多くがここを走った経験があります。だから、秘訣のようなものはありませんし、アドバンテージもないと思っています」と応じた。

「(決勝が行われる)日曜日は、(悪天候で中止となった)2013年のような天気にならないことを祈っています。いいレースがしたいですし、僕たちの目標は去年の可夢偉のように勝利を手にすることです」

「僕が2~3歳のころから、富士にはレースを見に来ていました。大雨のなか、父がレースを戦っているのを見守ったことも覚えています。とにかく、週末はしっかりとレースを戦いたいですね」

■スポット参戦のロシター、参戦オファーはInstagram経由
 今年、アウディからポルシェに移籍してシーズンを戦っているロッテラーは「ワン・ツーで終えることができたから、コンディションにマシンがマッチしていたようだ」とFP1を振り返ると、「トヨタも僕たちと同様にハイダウンフォース仕様のエアロキットを使っているから、マシンコンセプトが異なる2メーカーのマシンと富士スピードウェイのサーキット特性がどう作用するか楽しみだ」と予選・決勝への展望を明かしている。

 このWEC富士でアレックス・リンに代わり、G-ドライブ・レーシングの26号車オレカ07・ギブソンをドライブするジェームス・ロシターは、チームから「Instagramでオファーを受けた」と語った。

「新世代のLMP2マシンをドライブしたことはなく、以前乗った時からいろいろと変化しているから、昨日チームからマシンのシステムについてレクチャーを受けた。そのおかげで収穫あるFP1を過ごすことができた」

「新型のLMP2をドライブした印象は、とにかくドライブしやすい、ドライバーフレンドリーなマシンだと思ったよ。マシンパフォーマンスには幅があって、乗りやすく、楽しみながら走ることができるね」

 今シーズン、LM-GTEアマクラスのクリアウォーター・レーシングからフル参戦している澤にとっても、これが地元凱旋レース。「ここに戻ってこれたことをうれしく思います。今のところ、シーズンはいい形で進んでいます。チームメイトのウェン-サン・モクは、今年初めて走行経験があるサーキットでのレースを迎えました。だから、チームとしてレースを戦うことを楽しみにしていますよ」と澤。

「(第1戦)シルバーストンと(第2戦)スパ・フランコルシャンでは表彰台を獲得するいい走りができました。ル・マン24時間は厳しい戦いでしたがクラス5位でフィニッシュして、ポイントリーダーになることができました」

「そのあとのニュルブルクリンク戦、メキシコ戦は苦しい戦いになりましたが、COTAではクラス2位に入って勢いを取り戻せました。ランキングでも上位につけていますが、トップとは6点差があります。同じクラスに5台しかいないとは言え、表彰台に上がるのが難しいクラスでもあります。ただ、この週末は勝利できるチャンスがあると思うので、ミスをせず、自分たちのレースに集中したいと思います」

 澤と同じくLM-GTEアマクラスを戦う86号車ポルシェ911RSRをドライブしているニック・フォスターは、今シーズンのハイライトは「長年夢見ていたル・マン24時間参戦と、第5戦メキシコでの表彰台」であるとコメント。

 LM-GTEアマクラスについては「チームやドライバーは、どんなシリーズに参戦する時も全戦優勝してチャンピオンを獲りたいと思うものだ。それを踏まえれば、今年は確かに少し残念なシーズンになっていると言わざるをえない。ただ、このクラスのブロンズドライバーたちは、世界でもっとも速いブロンズドライバーたちなんだ。だから、表彰台に登るのは難しいクラスなんだ」と競争の激しさを表現した。