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WEC:ポルシェ、富士戦初日総合トップタイムも「ヘビーウエットのトヨタは脅威」

2017年10月13日 20:02  AUTOSPORT web

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ウエットコンディションとなった初日を総合トップで終えた1号車ポルシェ919ハイブリッド
10月13日に開幕したWEC世界耐久選手権第7戦富士。シリーズ連覇に王手をかけるポルシェLMP1チームは2台のポルシェ919ハイブリッドで参戦し、ウエットコンディションとなった大会初日を総合トップで終えた。

 2度のフリープラクティスが行われた13日(金)は、朝から雨が降り続くウエットコンディション。気温13度、路面温度17度という状況のなか、セッションは行われた。

 午前中のフリープラクティス1回目は雨量も少なかった上、大きなアクシデントもなかったことから、各チームとも順調に周回。ポルシェ勢は1号車(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ)が1分35秒527の最速タイムをマークし、2番手に2号車(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンドン・ハートレー)が続いた。

 インターバルを挟んで行われたフリープラクティス2回目はセッション序盤にLMP2クラスのマシンがクラッシュした影響でタイヤバリアが破損。補修のために赤旗が出されたほか、その作業中に雨あしが強まったこともあり、セッションは50分に渡って中断されることに。

 セッション再開後はタイムアップを果たせる状況ではなく、FP2でポルシェ陣営はジャニとベルンハルト以外のドライバーは走行できず。1号車ポルシェが2番手、2号車ポルシェが4番手でセッションを終えた。

■アール・バンバー「ヘビーウエットでのトヨタは脅威」

「簡単な金曜日ではなかった」と語るのはチーム代表のアンドレアス・ザイドル。

「悪天候の影響によって、通常のタスクリストをこなすことができなかった。それにもかかわらず、2台の919ハイブリッドには一切トラブルも起きなかったし、ウエットコンディションで役に立つ情報を収集することもできた」

「そしてもっとも重要なのは、こういった難しい1日だったにもかかわらず、マシンが無傷でガレージに戻ってきたことだ」

 FP1でこの日総合トップとなるタイムを記録したロッテラーは「幸運なことに、FP1は路面コンディションが安定していたんだ」と振り返っている。

「マシンの感触は基本的に問題なく、トラクションを向上させることに集中することができた。リヤタイヤを駆動するエンジンとERSを協調させて、コーナー出口での加速をできるかぎり速くする必要があるからね」

「それと同時に、ウエットコンディション下でのマシンバランス改善にも取り組んだ。しかし、残念ながら午後のセッションは降水量が多く、普段どおりの仕事をすることができなかった。それにこれだけ寒いと、タイヤを機能させることも難しいから、マシンを運転するのが本当に難しいんだ」

 2号車のバンバーは「今朝、マシンに乗り込んだ段階でフィーリングは良かった」と述べた。

「セッション序盤は、アクアプレーニングが酷かったけど、多くのマシンがコースを走ったことで状況は改善していった」

「ダンプコンディションでは僕たちの方が速そうだけど、午後のようなヘビーウエットではトヨタが脅威だね。僕たちも、この点を改善する必要がありそうだ」

 なお、ポルシェは第85回ル・マン24時間で優勝した2号車がランキング2番手につける8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソン/中嶋一貴)より前でチェッカーを受ければ、このWEC富士でドライバーズタイトル連覇を決めることができる。

 連覇に向けて重要な1日となる14日(土)の予選日は10時30分から60分間のフリープラクティス3回目が行われた後、15時からLMPクラスの予選が行われる。