メルセデスのノンエグゼクティブチェアマンであるニキ・ラウダは、2017年シーズン後半のバルテリ・ボッタスの不調については、チームがその責を負わなければならないと述べている。
昨年末のニコ・ロズベルグの引退により急遽メルセデスと契約を交わしたにもかかわらず、ボッタスは今シーズン開始直後から好成績を収めた。ボッタスはサマーブレイク前にはポールポジションを2度獲得し、2勝を挙げている。
しかしボッタスは直近の数レースでは思うようにいっていない。チームメイトのルイス・ハミルトンはドライバーズランキングトップの座を着実に固めつつあるにもかかわらず、ボッタスはハミルトンに匹敵するパフォーマンスを発揮できずにいるのだ。
しかしながら、ラウダは原因はボッタスではなく、マシンにあると主張する。
「空力か機械の面で何か問題がある」とラウダはKronen Zeitung紙に語った。
「マシンに安定性がないのだ」
「(チームメイトから)1秒以上も遅れているときは、タイヤの作動温度領域のことなど考える必要はない」とラウダは付け加えた。
「つまり、警鐘が鳴り響いているということだ」
ハミルトンとメルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフはいずれもマレーシアGPで、W08には“得体の知れない異常”や“根本的な問題”があったと考えている。日本GPでラウダは「まだ解決策が見つかっていない」「鈴鹿では異なるセットアップを試し、それで以前の調子が戻ることを期待している」と述べており、予選でハミルトンとボッタスが1-2を達成、ハミルトンは優勝を飾った。しかし日本GP後もチームは警戒感を解いてはいない。
ラウダは、ハミルトンもボッタスが悩まされてきている同じ問題に影響を受けていると付け加えた。
「これは簡単に説明がつく」と彼は説明した。「マレーシアGPで、ルイスはマシンをコース上に維持するのに骨を折ったと言っていた。それでも上位に食い込んだのは、彼の才能のおかげだ」
「一方でボッタスは安定したマシンを必要としている」とラウダは付け加えた。「我々は彼にそうしたマシンを与えることができていない。これは我々の落ち度だ」
ボッタスは日本GPではマレーシアよりもずっとマシンの感触が良かったとして、このまま調子を取り戻していきたいと語っている。
ボッタスは2017年にメルセデスと1年間の契約を交わしたが、最近2年目となる翌シーズンまで契約を延長した。これにより彼とハミルトンのペアが2018年末までは継続することが確定している。
ハミルトンは現在の契約が終了した後もメルセデスに残りたいと話している。しかしながら、ラウダはまだハミルトンと契約交渉を始める時期ではないと考えている。
「彼にはまだ2018年末まで契約がある。契約の話を始めるのは(最終戦の)アブダビGPが終わってからになるだろう」
ただしラウダは、メルセデスがレッドブルのマックス・フェルスタッペンと2019年シーズンに向けて“事前合意”に達したというパドックの噂は完全に否定した。
「そのような事実はない。ゼロだ。正直に言ってそのようなことは皆無だ」