度々話題にあがる「電車の座席」問題。はてな匿名ブログに10月12日、「席は絶対に譲らない」という投稿が寄せられた。
投稿者は「大体の人が『大丈夫です』と一度断る」ため、電車内で席を譲りたくないのだそうだ。断られたあと「押すべきか引くべきか、彼らの身なりや物腰などからそのつど考えなければならない」といい、
「そうこうしていると車内で目立つし、不良がたまに良いことをしたらかえって評価評価上がるみたいな偽善を自分に感じてしまうし、何よりめんどくさい」
と感じている。そのため電車では立っていることが多いという。
「老人でも一旦座ったら立つのが難儀という人も」
そのため、座るのはあくまでも疲れていて、かつ席があいているときのみ。乗客が乗り込んでくる数と空席数を見比べ、立つ人が発生するようなら自身は席を立つようにしている。病院や公園のベンチでも譲る羽目になる前に立つことが多いといい、「同じようなことしてる人、いないかなあ」という。
確かに、混雑している電車内で「どうぞ」「いえ、大丈夫です」というやり取りをするのは面倒だ。周囲の目が気になるという人もいるだろう。そんなことなら最初から座席に座らない、という投稿者の気持ちも理解できる。
この投稿に対してはてなブックマークでは、
「別に断られたらそのまま座ればいいやん。遠慮してるけどホンマは座りたいんかも?とかそこまで忖度する必要ないし」
という意見があった。断る側にも理由がある、という指摘も出ていた。
「老人でも膝や腰痛で一旦座ったら立つのが難儀とか、乳児連れでも座ったら抱いてる子が泣き出すとか席譲りを断る理由はいろいろあるのよ」
ただ、「他人に席を立たせてまで自分が座るのは悪い」という、ある種「謙虚」な気持ちから断る人もいる。その見分けは難しく、だから投稿者は「席を譲る状況」を作らないことに必死なのだろう。
投稿者の意見に「人の善意を突っ撥ねるって言うのもなかなか罪なことだし、それをさせてしまうのもなんだかねって思うよね」と同意する声も多く寄せられていた。
初老の女性に譲ろうとしたら「私は年寄りじゃありません」と怒られた人も
一方でスムーズに席を譲るために、ちょっとした工夫をしている人もいた。
「俺は『次降りるんでどうぞ』と言って譲り、次の駅で隣の車両へ行く」
「譲る時は駅で降りるフリして何も言わずに席を空ける」
仮に「大丈夫です」と断られても「『人が多いので危ないですよ』って言ってよく子供連れとかお年寄りには声掛けるかな」という人もいた。
ちなみに、ライフメディアのリサーチバンクが2012年に実施した調査によると、車内の座席が全部埋まっているとき、高齢者や身体の不自由な人、妊婦が近くにいたら席を譲るかと聞くと93.7%が「譲る」、6.4%が「譲らない」と回答していた。
譲らない人に理由を聞くと、最も多かったのは「自分が座っていたいから」(41.7%)だが、「言いだすのが恥ずかしいから」(29.2%)という人も3割いる。他にも「失礼かと思うから」(10.4%)、「断れることが怖いから」(2.1%)という声も。
電車内のエピソードとしては「初老の女性に席をどうぞと譲ったところ、『私は年寄りじゃありません』と叱られた」なんて回答もあった。たしかに似たような話もよく聞く。譲りたいけど上手くコミュニケーションができないから最初から立っているという投稿者は、不器用で極端だけどいい人なんだろうな、と思う。