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F1 Topic:日本GP鈴鹿でパーマーのラストレースを見守った“幸運”のダルマ

2017年10月12日 13:12  AUTOSPORT web

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2017年F1第16戦日本GP ルノーのカラーリングを施したダルマがプレゼントされた。
日本GPの土曜日、ルノーは日本GPを最後にジョリオン・パーマーがチームを離れ、次戦アメリカGPからカルロス・サインツJr.が加入すると発表した。 



 日曜日のレース前に、トレーナーのジャック・クラークに出会った。クラークの父親も元F1ドライバーのジュリアン・ベイリー。ジュリアンは継父のため苗字が違うが、クラークもパーマー同様、二世ドライバーだった。

 さらにパーマーの父親のジョナサンとクラークの継父となったベイリーは、88年にティレルで1年間、チームメイトということもあり、家族ぐるみの付き合いがある。さらにフォーミュラ・パーマー・アウディとF2選手権でしのぎを削ったライバルでもあった。

 クラークによれば、「鈴鹿が最後になることは、ここに来る前にわかっていた」という。

 それはパーマーのコメントからもうかがえる。
「チームは来年のために、少しでも早くスタートを切りたがっていて、このレースの後には1週間のインターバルがあるから、ここで僕がチームを離れるのが一番いい選択だと思う。最終戦まで戦えないのは残念だけど、僕はチームの決定を尊重しているし、チームとカルロスの今後の活躍を祈っている」

 最後のレースになるかもしれない日本GPで、パーマーはグリッドペナルティもあり、18番手からスタート。しかし、スタートで4つポシジョンを上げると、その後も安定した走りを披露。1回目のピットストップをだれよりも遅い39周目まで引っ張って、終盤にポイント獲得を目指した。

 結局、入賞はならなかったが、レース後のパーマーは、最後のレースを大好きな鈴鹿で終えられたこと、そして完走できたことには満足していたようだった。


 というのも、パーマーはスタートできなかったイギリスGPを含めると合計5レースでチェッカーフラッグを受けずにレースを終えていたからだ。しかも、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグは、パーマーがピットインした直後にDRSのトラブルでリタイアしていた。そんな中で最後のレースになるかもしれない日本GPを完走で締めくくったパーマーの顔は晴れ晴れとしていた。


 じつは、この日本GPに、毎年ルノーをサポートしている日本人スタッフの藤井照久さんが、ある縁起物を持ち込んでいた。それはルノーのカラーリングを施したダルマ。ただのダルマのように見えるが、じつはこれ100%カーボン製。藤井さんの知り合いのカーボン部品加工会社の『マドネス』が製作したものだった。


 レース中、このダルマはガレージの中でパーマーの走りを見守っていた。筆者はレース後、パーマーにこのダルマの由来を説明し、目を入れてもらった。多くのドライバーがさよならを言うこともできなかったり、最後のレースを完走できないで去っていく中、関係者たちにあいさつし、完走で締めくくったパーマー。それはまさに『一走入魂』の素晴らしい走りだった。