トップへ

欅坂46 土生瑞穂、存在感を高めて掴んだ初フロントメンバー パフォーマーとしての進化を考察

2017年10月12日 12:13  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 欅坂46の5thシングル曲「風に吹かれても」のMVが10月2日に公開された。黒スーツを纏ったメンバーが、笑顔と共に凛々しいダンスを鮮やかに踊る姿が話題に。この映像を通して、欅坂46のダンスパフォーマンスのレベルの高さを再確認することができた。


参考:振付師・ダンサーTAKAHIROが語る、欅坂46の表現が進化し続ける理由「言うならば、振付は器」


 本稿では、ここにきてダンスで目覚ましい成長を遂げ、パフォーマーとしても欅坂46を支えている土生瑞穂に注目したい。


 今回「風に吹かれても」で初フロントに選ばれ、同シングルのカップリング曲「結局、じゃあねしか言えない」にも5人組ユニット・五人囃子(石森虹花、織田奈那、齋藤冬優花、佐藤詩織、土生瑞穂)のメンバーとして参加している土生。学生時代に美容の世界に憧れ、高校3年生の時に美容学校を受けようとしたが、友人の勧めで欅坂46のオーディションを受けたという。身長171cm、可憐なルックスとすらっとしたモデル体型を持つ土生は、欅坂46の中でいち早く「GirlsAward」のランウェイを歩くなど、モデルとしての活躍も期待されている。その一方で、『欅って、書けない?』(テレビ東京/以下、けやかけ)などのバラエティ番組では持ち前のポテンシャルを活かせず、他のメンバーと比べてもあまり目立たない存在であった。


 10月1日に放送された『けやかけ』で「ワタシこんなはずじゃなかったんです!」というトークテーマが出た際、土生が「もっと前に出れば良かった」とこれまでの後悔を語り、まだメンバーに人見知りしていることを告白。彼女が人一倍人見知りで、引っ込み思案な性格をしていることが明らかになった。しかし、石森虹花が『月刊エンタメ』11月号で、土生のことを「とにかくストイック。ステージでに立っているときはアイドルらしさを放ってキラキラしてるけど、裏では一生懸命練習しているという姿にギャップ萌えを感じてます」と語っており、メンバーは彼女のことを高く評価している。世間からは見えにくいかもしれないが、スポットライトが当たらないところでも努力を重ねていたからこそ、今回フロントメンバーに選ばれたのだろう。


 放送当初の『けやかけ』では、芸能人以外のなりたい職業として、モデルとコスプレイヤーをあげていた土生。彼女は欅坂46の中では珍しいアニメオタクなのだ。中学生の時に観た『ラブライブ!』(TOKYO MXほか)がきっかけでアニメ好きになり、その後『けいおん!』シリーズ(TBS系)にはまった際は、登場キャラの中野梓に影響を受け、高校で軽音部に入部したほど。そのほか、『おそ松さん』(テレビ東京)ならトド松推しと明言し、最近の土生のSNSやブログを見ると、『亜人』や『干物妹!うまるちゃんR』(TOKYO MXほか)といったアニメや漫画の名前をよく目にする。さらに、ゲーム好きでもある土生。『バイオハザード7』をVRでプレイした際は、ビビリながらもヘッドショットを連発。清楚でおっとりした雰囲気とは裏腹に、ゾンビを銃でバンバン打つ姿はギャップがあって魅力的だった。


 インドアタイプでオタクな一面を持つ土生だが、「不協和音」のMVから変化を見せ始めた。2017年4月発売の『blt graph.vol.18』のインタビューでは、可愛い系に寄せていた自分を後悔し、もっと早くからかっこいい路線に自己プロデュースしておけばよかったと語っている。そして土生は、もっと自分を出すという意味を込めて、「不協和音」のMVで髪を結んだ。これが彼女にとってのカッコ良さへの第一歩となった。


 さらに土生が世間から注目を集めたのは、7月1日に放送された『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)。同番組で欅坂46は、「エキセントリック」をテレビで初披露した。同曲のサビパートのダンスには、片方の靴を脱いで振り回すという驚きの振り付けが含まれており、土生はそのパートでセンターポジションに位置している。土生がレギュラーを務めるラジオ番組『ちょこっとやってまーす!』(MBSラジオ土曜24時)で彼女は、「エキセントリック」は表現力が大事な楽曲と説明し、「あの高身長じゃないですか。だからもっと身長をちゃんと生かそうと思って、大きく踊りました」と語っていた。土生の高身長を活かしたダイナミックなパフォーマンスは視聴者からの注目を集め、一気に彼女の存在感を高めたと言える。


 そして、土生がパフォーマーとしてさらなる進化を遂げたのが夏の全国ツアーだ。『BOMB (ボム) 』(11月号)のインタビューで土生は、「「東京タワーはどこから見える?」のソロダンスは公演ごとに工夫して、私自身もツアーを通して少しは成長できたんじゃないかなと」とツアーでの成長を語っている。自身のダンスに納得していなかったという土生は、振付を担当するTAKAHIROにヒントをもらいながら、徐々に自分のダンスを仕上げていったという。その模様を観ていた小池美波は、『BUBKA』(11月号)で土生のダンスの変化に驚いたことを明かしていた。この目覚ましい成長がフロント入りに繋がったとも言える。


 さて、今回のフロント入りが発表された時に、普段はあまり感情出さない土生が涙を流し「前に誰もいないっていうのがすごい不安で、できるか分からないけど、頑張ります」と答えている。さらに新曲に関しては、「心機一転ということで、私も髪をバッサリ、20センチ以上切りました。私にとっても新しい自分を見せられるきっかけの曲になったらいいなと思ってます」と意気込みを語った。欅坂の中で一番の成長を見せている土生。ここから欅坂46と土生の第2章が始まるのだ。(本 手)