10月13~15日に開催が迫るMotoGP日本GP。日本GPの開幕を前に、現在ポイントリーダーであるレプソル・ホンダのマルク・マルケスにインタビューを行った。彼が考えるツインリンクもてぎの攻略法とは。
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2017年シーズンは歯車のかみ合わない前半戦を堪えて、中盤戦のサマーブレイク前から本来の速さを取り戻したマルク・マルケス。安定してポイントを積み重ねてきたドゥカティのアンドレア・ドビジオーゾを、もてぎの直前、第13戦サンマリノGP、第14戦アラゴンGPと連勝し突き放した。
20周年を迎えたツインリンクもてぎの日本グランプリへ向けて、マルケスの思いを聞いてみた。もてぎのレースには特別な気持ちはあるのだろうか。
「もちろんさ。ホンダのホームコースというだけでなく過去2回、ここでチャンピオンになったんだ。とても気に入っているサーキットだよ」とマルケス。
マルケスにとってツインリンクもてぎは、とても験のいいコースと言える。2014年、2016年と2回、もてぎでタイトルを決めているのだ。今シーズンは、もてぎでタイトルが決まる可能性はないが、優勝するための方程式は持っているだろう。
「乗る前から戦略を立てるのは無理だ。だから今はまだ考えていない。フリープラクティスと予選が終わったときに、チームみんなで戦い方を組み立てるようにしているんだ。そのときにはライバルや自分たちの状況が把握できているからね」
マルケスにとって、もてぎの攻略法はあるのだろうか。パッシング(オーバーテイク)ポイントを聞いてみた。
「まずは1コーナー。そして7、8コーナーがパッシングポイントになるかな」(7、8コーナーとは、セカンドアンダーブリッジを越えて、130Rのノボリコーナーの先、左、右のS字コーナーのこと)
マルケスのもてぎでの優勝回数は、意外にも多くない。もしかしたら、あまり得意ではないのかもしれない。
「ここでは3回優勝しているけれどMotoGPでは1回だけ。去年はなるべくポイントを失わない気持ちで走った結果、優勝できたんだ。このコースは、ハードブレーキングを要求されるので、ライダーにとってもマシンにとっても厳しいコースだと思うよ。どういう展開になるかは、始まってみないと分からないな」
ツインリンクもてぎは、ホンダのお膝元、ホームコースだ。マルケスが乗るホンダRC213Vは、ホームコースに向いているバイクだと一般には思われている。タイヤとのマッチング、マシンのセットアップなど、高度化するMotoGPマシンのポテンシャルをフルに発揮するのは、とても難しいことなのだろう。ホームコースのアドバンテージがあり、他車に対して有利なのではないだろうか。
「シーズン後半からマシンがどのコースでもマッチすると感じているんだ。もてぎでも同じように、マッチングができていてほしいと思うよ。楽しいサーキットだからと言って速く走れるとは限らない。だから実際に走ってみないことには何とも言えないよ」
第15戦のもてぎラウンド、もてぎを含めて残り4戦だ。ランキング2位のドビジオーゾとは16点差、ランキング3位のマーベリック・ビニャーレスとは28ポイント差、まだまだ安心できない。チャンピオンへの戦略について聞いた。
「大切なのは、安定した走りだと思う。今はトップ3のライダーが拮抗しているから、必ずポディウムに上がらなければチャンピオンから遠のいてしまうだろう。最終戦のバレンシアまで、どのレースでも上位でフィニッシュするように努力するつもりだよ。まずはもてぎでの優勝だね」
マルケスが特別に日本好きという話は聞いたことはないが、スペイン人ライダーの多くは、日本食が大好きだという。
「ホンダに入ってから、毎年2回は日本に来ている。グランプリと12月のホンダサンクスデーのとき。どこのお店とかは言えないけど、日本食は大好きだし寿司だったらずっと食べていられるよ」
「間もなく日本GPだけど、皆の前でレースができることを楽しみにしている。厳しいチャンピオンシップになっているから、今年は特にエキサイティングなレースになると思うので楽しんでほしい。僕も100パーセント全力で走るように頑張るからね。では近いうちに」