2017年10月11日 17:13 弁護士ドットコム
暴力トラブルを起こした山口俊選手に対する減俸処分をめぐって、読売巨人軍に対して処分を見直すよう交渉をおこなってきたところ、一方的に打ち切られたなどとして、日本プロ野球選手会は10月11日、東京都労働委員会に不当労働行為の救済申し立てをおこなった。
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プロ野球選手会は、プロ野球選手の労働条件の維持・改善、経済的地位の向上を図ることを主な目的とした「労働組合」としての側面がある。今回、読売巨人軍と日本プロフェッショナル野球組織が不当労働行為をおこなったと主張している。
読売巨人軍については、(1)交渉を一方的に打ち切ったこと(2)選手と個別に交渉したこと(3)客観的かつ具体的な資料を示さず、合理的な説明をしなかったこと、日本プロフェッショナル野球組織については、(4)義務的団交事項であることを否定したこと――などを指摘したうえで、双方に誠実に対応することを求めている。
この日の救済申し立て後、都庁記者クラブで会見をおこなったプロ野球選手会事務局長の森忠仁氏は、山口選手自身が処分を受け入れていることに触れて、「労働組合として、全選手にかかわる問題だという判断に基づいて申し立てをおこなった」と述べた。同会が、過去の日本プロ野球やプロサッカーの処分例について調べたところ、罰金と減額を合計して1億円以上の金銭的ペナルティを与えたケースはなかったという。
山口選手は今年7月11月深夜、酩酊状態で都内病院の扉を壊したうえで、警備員に暴行したとしてトラブルになった。その後、巨人軍から出場停止処分を受けたほか、罰金や減額をあわせて総額1億円以上の減俸処分を受けていた。
(弁護士ドットコムニュース)