スクーデリア・トロロッソが次戦F1アメリカGPにおいてどのドライバーを走らせるのか、注目が集まっている。うわさに上がる多数のドライバーのなかにロバート・クビカも含まれていたが、マネジメントを担当するニコ・ロズベルグが、クビカのスポット参戦を否定した。
カルロス・サインツJr.がアメリカGPからルノーに移籍することが決まり、トロロッソはオースティンでダニール・クビアトとピエール・ガスリーを走らせるといったんは発表した。しかしこれは実は決定事項ではなかったことが後に明らかになり、ガスリーが10月22日にアメリカGPではなく鈴鹿でのスーパーフォーミュラ最終戦に出場する可能性が出てきた。ガスリーはスーパーフォーミュラで現在ドライバーズランキング2位につけているため、レッドブルは来年からトロロッソのパワーユニットパートナーとなるホンダを尊重し、ガスリーのF1起用を諦める旨の発言も行っている。
クビアトの代わりに今シーズンのマレーシアGPと日本GPに参戦してF1デビューを果たしたガスリーが、オースティンにおいてトロロッソで走らない場合、レッドブルは1戦限りの代役を見つけなければならない。
候補のなかには、レッドブル・レーシングで今年テスト&リザーブドライバーを務めるセバスチャン・ブエミに加え、クビカも含まれていたと考えられている。
2011年シーズン前にラリーでのクラッシュで重傷を負ってから7年間のブランクを抱えるクビカは、F1への復帰を果たすべく戦っている。ルノーではテストを行ったが、同チームは来年のドライバーラインアップを決定して可能性が潰えたため、現在はウイリアムズと交渉中だ。
しかし、ドイツのAuto Motor und Sportによれば、2016年F1世界チャンピオンのニコ・ロズベルグも名を連ねるクビカのマネジメントチームは、トロロッソでのスポット参戦を選択肢から除外しているという。
「もしもまったく慣れていないマシンに乗り、テストもなしで参戦して難しい状況に陥ったら、誰であれ成功することは不可能だ」とロズベルグ。
「ウイリアムズでのチャンスを求め続けた方がよい」
もうひとつ、クビカには問題があるとAuto Motor und Sportが報じている。F1で永久にレースができないということでクビカは巨額の保険金を受け取ったものの、1戦参戦することでこれを返還しなければならない可能性があるという。
フルタイムでの復帰ではなく1戦のみの参戦でそういう状況に陥るとしたらクビカにとって失うものが大きすぎるとマネジメント陣営は考えているのかもしれない。
ウイリアムズは2018年ドライバー選定の一環として、クビカをポール・ディ・レスタとともにテストすることを認めている。ふたりのテストは今月中に2014年仕様のマシンを使って行われる見込みだ。ウイリアムズはランス・ストロールは来年も残留すると述べており、そのチームメイト候補としてはクビカとディ・レスタのほかに現レースドライバーのフェリペ・マッサも検討されている。