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WRC:シトロエン 2017第11戦スペイン ラリーレポート

2017年10月11日 12:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

優勝したクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)
クリス・ミーク、WRCスペインでシトロエンC3 WRCの2勝目をマーク

 10月5日~8日にかけて開催されたWRC第11戦WRCラリースペインの最終日では、シトロエン・トタル・アブダビWRTのクリス・ミーク/ポール・ナゲル組が、今季2勝目を飾りました。

 ミークの操るシトロエンC3 WRCはラリー最終日も好調で、この日に設定された6SS中、5SSで最速タイムを記録しました。また、ステファン・ルフェーブル/ギャビン・モロー組も総合6位に入り、シトロエン・トタル・アブダビWRTは、今大会でどのチームよりも多くのマニュファクチャラーズ選手権ポイントを獲得しました。
 
◆ラリー最終日は、L’AlbiolとRiudecanyes、そしてSanta Marinaの3箇所のSSを2回ずつ走行する6SSで構成されました。連続での走行となるため、シトロエン・トタル・アブダビWRTのドライバーたちはハードコンパウンドタイヤのミシュラン・パイロット・スポーツを装着。スペアタイヤを1本搭載して、SSへと挑みました。

◆この日最初のSSは、夜が明ける前の走行となりましたが、ミークの走りは順調でした。暗く視界の悪い状態でも盤石の走りを見せ、SS最速タイムをマーク。さらにミークは、続く2SSも最速タイムでゴールし、ライバルであるMスポーツのセバスチャン・オジエ、オット・タナクに対するリードを広げていきます。それぞれ1回目の走行を終えた時点で、ミークのリードは13.0秒から23.9秒へと拡大しました。

◆前日のターマック(舗装路)ステージで経験を重ねたルフェーブルは徐々にペースを上げ、Mスポーツのマッズ・オストベルグにプレッシャーをかけていきます。SS14ではふたりが同タイムで並びましたが、次の2SSではルフェーブルがタイムで上まわりました。一方、トヨタのエサペッカ・ラッピとヒュンダイのティエリー・ヌービルがリタイアしたため、ルフェーブルは総合6番手に浮上。オストベルグにも16秒の差をつけました。

◆しかし、ルフェーブルは最後の最後まで順調とはいかず、SS17で油圧トラブルに見舞われ、SS18ではインターコムが不調に。この時点で、ルフェーブルはポジションを守って完走することに目標を切り替えます。一方のミークは快調なペースで走行を続け、SSベストタイムをさらにふたつ獲得しました(SS17/SS18)。最終SSの“パワーステージ”では、リスクを一切負わずに堅実な走りで臨みましたが、それでもSS2番手タイムをマーク。オジエに28秒、タナクに33秒の差をつけての総合優勝を飾りました。

◆クリス・ミーク/ポール・ナゲル組は、シトロエンC3 WRCに第3戦ラリーメキシコ以来となる2度目の勝利をもたらしました。またミークにとっては、5度目のWRC優勝、シトロエンにとっては、98回目のWRC優勝となりました。ハリ・アル‐カシミ/クリス・パターソン組は、舗装での走りが日を追うごとに安定し、総合17位でフィニッシュしました。

◆第12戦のウェールズ・ラリーGB(英国)は、10月26日~29日にかけて、ウェールズのディーサイドを拠点に行われます。

チームコメント
■イブ・マトン(シトロエン・レーシングチーム代表)
「この結果には、シトロエン・レーシングの全スタッフが喜んでいます。この数カ月、我々はシトロエンC3 WRCのポテンシャルを高め、我々のドライバーたちが成功を収められるよう、必死で努力を続けてきました。この週末、クリスとポールはグラベルで速さを見せ、ターマックでもラリーをコントロールし圧倒的な強さを見せました。この勝利は、とりわけチームの努力の結果であり、シーズン後半に設定した目標がすでに果たされたことを意味します。ステファンとギャビンも素晴らしい結果を収め、シトロエン・トタル・アブダビWRTを、この週末で最もポイントを獲得したチームにしてくれました」

■クリス・ミーク
「格別の週末に、優勝で華を添えることができました。第3戦メキシコでの優勝以降、辛い時期もありましたが、そのたびに必死で努力し、自分たちを奮い立たせてきました。このマシンが舗装では最高に素晴らしいことは分かっていましたが、今回のラリーでそれを披露できたと思います。チームのみんなが行ってきた仕事のクオリティが証明されました。このことは、シーズンの残りに向けて私たちの自信を大きく押し上げてくれることにもなります」

■ステファン・ルフェーブル
「最初のループではプッシュしてマッズ(オストベルグ)との差を詰めました。その後、油圧トラブルが発生したりインターコムが使えなくなるなど、厳しい状況になったので、確実にポジションを守ることに徹しました。このイベントでの経験は少ないので、それを考えると6位はかなりいい結果です。ポーランドでの5位に匹敵すると言ってもいいのではないでしょうか。経験を積むたびに成長できている手応えがあるので、将来につなげたいと思います。ふたたび勝利を収めたクリスとポールを祝福したいですね。チームのみんなにとって、本当に励みになるリザルトです!」

■カリッド-アル・カシミ
「マシンの進歩にはとても満足しています。何より、クリスの優勝がうれしいですね。この週末、素晴らしい戦いぶりを見せてくれました。私たち全員にとって、最高の瞬間です。アブダビが、彼らのパフォーマンスを後押ししていることを、心から誇りに思います」

世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリースペイン最終結果
1 クリス・ミーク/ポール・ナゲル シトロエンC3 WRC 3h01'21"1
2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタWRC +28"0
3 オット・タナク/マルティン・ヤルベオヤ フォード・フィエスタWRC +33"0
4 ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストロームトヨタ・ヤリスWRC +54"1
5 マッズ・オストベルグ/トルステイン・エリクセン フォード・フィエスタWRC +2'26"2
6 ステファン・ルフェーブル/ギャビン・モロー シトロエンC3 WRC +2'43"0
7 エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット フォード・フィエスタWRC +4'37"4
8 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ フォード・フィエスタR5 +8'22"7
9 ヤン・コペッキー/パベル・ドレスラー シュコダ・ファビアR5 +8'54"5
10 オーレ・クリスチャン・ベイビー/スティグ・スキャルモン シュコダ・ファビアR5 +9'04"8
17 カリッド‐アル・カシミ/クリス・パターソン シトロエンC3 WRC +15'14"8

WRCマニュファクチャラーズ選手権ポイントスタンディングス
1 Mスポーツ・ワールドラリーチーム 358
2 ヒュンダイ・モータースポーツ 275
3 トヨタ・ガズーレーシングWRT 225
4 シトロエン・トタル・アブダビWRT 198