10月13~15日にツインリンクもてぎで開催されるMotoGP第15戦日本グランプリ。この世界の舞台にワイルドカード参戦する日本人ライダーたちに、日本GPの展望とレースへ向けた意気込みを聞く。
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榎戸育寛は2015年に全日本ロードレース選手権デビュー、ST600に参戦した。クラス2年目の2016年、最終戦で劇的な大逆転劇を演じてST600チャンピオンを獲得した。今季はJ-GP2にステップアップし、初のワイルドカード参戦のチャンスをつかんだ。
「全日本の前半戦を終えた時点でランキング5位だったので、ワイルドカード参戦が実現する可能性は低いと思っていました。でも8月上旬に出られることになって、それからは待ちきれない気持ちでいっぱいです」と榎戸はワイルドカード参戦が決まった時の心境を語った。
全日本とMotoGPのレギュレーションの結びつきが少なくなったことから、近年では日本GPのワイルドカード参戦でリザルトを残せるライダーが少なくなっている。
このことについて榎戸は「確かに厳しいと思います」と次のようにコメント。
「でも僕は今季最初からMoto2車両のカレックスに乗っているし、Moto2参戦のためにタイヤも世界戦で使われているものと同じ種類で全日本を戦ってきました。これはかなりいい条件だと思います」
榎戸は世界戦への挑戦は、自分の実力を知るためのものだとも語っている。
「今年、アジア選手権の鈴鹿ラウンドにスポット参戦したのですが、すごく楽しかったです。いずれは世界に出てみたいので、日本GPに出ることで、今の自分のレベルがどの程度なのかを知る上で一番いい秤になると思います」
「GPはビデオで何度も、いろいろな角度の映像を見ながら研究しています。車載映像を見ると、GPライダーは普通じゃないと思います。僕も、クレージーな走りで挑みたいです。特に気になるライダーはトーマス・ルティ。もちろん決勝で彼とバトルができるとは思っていませんが、コース上で彼の走りを見てみたいです」
榎戸は、全日本ではコース上でもパドックでも、度胸の良さは折り紙付きのライダーだ。最後に榎戸は日本GPへ向けこう語った。
「おそらく世界戦の雰囲気に飲まれるとは思いますが、完走をして何かアピールができればいいと思います」
「全日本デビュー戦は走行経験のないオートポリスでのレースでした。それなのに予選で6番手につけて、『これはいけるんじゃないか!?』と感じました。そのときは雰囲気に飲まれるということはありませんでした。もちろん世界戦では全日本のようにはいかないと思います。でも、(日本GPでは)何かを残したいです。将来はモナコに住んで、クルーザーを所有するような生活をしたいですね。別荘はスイス。釣りでもしながらのんびりした時間を過ごしたいので(笑)」