毎年10月に開催される秋の風物詩として“WEC富士”の愛称で親しまれているWEC世界耐久選手権第7戦が今年も10月13~15日に開催される。第7戦が母国レースとなるTOYOTA GAZOO Racingはホームグラウンドの富士スピードウェイでライバル・ポルシェを迎え撃つ。
2012年の新生WEC富士初開催からアウディ、ポルシェというライバルたちを相手に5戦4勝という圧倒的な強さをみせているトヨタ。2017年のWECは序盤2戦で連勝を飾ったものの、ル・マン24時間を含めたシーズン中盤戦では思うようなリザルトを残すことができなかった。
しかし、前戦の第6戦オースティンでは連勝中のポルシェ勢に肉薄。レース終盤まで白熱した首位争いを繰り広げており、終盤戦に向けて反撃の兆候をみせている。
そんななかで迎える母国レースの舞台、富士スピードウェイはトヨタのホームコースであると同時に、トヨタTS050ハイブリッドが搭載するハイブリッド・パワートレーン『THS-R』が開発された東富士研究所のお膝元でもある。
多くの関係者とファンの声援を受け、チームはシーズン中盤の巻き返しを図るととも今季限りでのLMP1撤退を表明したポルシェと行う日本での最後の戦いで今シーズン3勝目の達成を目指す。
なお、今戦では第6戦を欠場した8号車のアンソニー・デビッドソンが、中嶋一貴とセバスチャン・ブエミのチームメイトして復帰することがアナウンスされている。
また来シーズン、トヨタがWECに参戦するかどうかについては、現在検討中がなされている最中で近々決定される予定だという。
■一貴「富士はすべて知り尽くしている」
まもなく迎えるホームレースについてチーム代表の村田久武氏は「ル・マン24時間以後では、富士6時間がもっとも重要なレースです」とコメント。
「我々は、この地でこれまでに素晴らしい実績を残してきましたし、ふたたび輝かしい成果を挙げるために最大限の努力を尽くします。トヨタ東富士研究所に勤務していたチームスタッフも多く、仲間や、熱い応援を下さるファンの皆様にお会いできることを楽しみにしています」
また、7号車トヨタTS050ハイブリッドを駆る小林可夢偉は「この素晴らしいクルマともに日本のファンの前でレースが戦えるのを本当に楽しみにしています」と心境を語った。
「もちろん、私自身はスーパーフォーミュラでも富士で戦っていますが、世界選手権という舞台は特別です。これまでの3レース(ニュルブルクリンク、メキシコ、オースティン)に比べれば力強いレースができると予想していますし、地元のファンの皆さまとともに勝利を目指して戦います」
昨年、可夢偉ともにWEC富士で勝利を飾ったマイク・コンウェイは「富士スピードウェイはメカニカルグリップとパワーが要求されるサーキットで、基本的に僕たちのクルマに向いているため、良いレースができると思うよ。もちろん勝利を狙っていく」と意気込みを語った。
また、8号車トヨタTS050ハイブリッドをドライブする一貴は「自分の母国でレースを戦えるというのは素晴らしいことですし、今週末のレースをとても楽しみにしています」と語るとともに「富士は僕にとっても大好きなコースのひとつですし、何年も、さまざまな日本のレースカテゴリーで戦っているので、すべて知り尽くしています」と自信を覗かせる。
「今回、僕たちは充分な速さを見せられると思っていますし、個人的にも2012年、2013年のように表彰台の中央に立つことを目指します」
シリーズ終盤戦の第7戦富士は13日(金)の11時00分と15時30分からそれぞれ90分間のフリープラクティスが行われ、14日(日)は10時00分から11時00分までフリープラクティス3回目が、14時00分から公式予選が実施される。6時間の決勝レースは15日(日)の11時00分にスタートが切られる予定だ。