チームは佐々木総監督のスリックのチョイスで作戦を変更。ミューラーをペースが落ちるまで引っ張り、藤井に交代する作戦を採った。本来であれば、二輪交換等の作戦を採ればさらに優勝のチャンスもあったが、手持ちのタイヤの関係でそこはギャンブルには至らず。藤井が履いたタイヤも組み合わせ的に苦しいものだったが、さすがの技でARTA BMW M6 GT3のショーン・ウォーキンショーの追撃を許さなかった。
●パターンC:ウエットスタート/2ストップ組 主な採用車=GAINER TANAX triple a GT-R、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3など パターンCは、多くのGT500チームが採った戦略。ウエットタイヤでスタートして、路面が乾き始めてスリックとのタイムがターンオーバーした時点でピットインし、スリックに交換。その後ドライバー交代/給油を行う2ストップ作戦だ。
「3号車(B-MAX NDDP GT-R)や33号車(B-MAX NDDP GT-R)のペースがウエットよりも速くなってきそうなタイミングで、スリックにしました。3号車の前でルーティンの作業がこなせるようにプッシュして、その作戦自体は当たったのですが、33号車のペースが良くてうしろになってしまった」というのはGAINER TANAX triple a GT-Rの富田竜一郎。
「後半フルプッシュして、その後も表彰台が狙えるペースだったのですが、残念ながらガソリンが足りませんでした。すごく残念です」と最終的にはガス欠でストップを喫しているが、D'station Porscheの終盤のペースが苦しかったことを考えると、GAINER TANAX triple a GT-Rも表彰台は狙えた可能性が高い。
一方、同じ作戦を採ったのはSYNTIUM LMcorsa RC F GT3。吉本大樹が「自分に(ピットインタイミングの)判断を任せてもらったのですが、スリックで走っているマシンのラップタイムを聞きながら走っていた」とウエットスタートからスリックに交換、その後引っ張り、終盤飯田章に交代する作戦を採った。